歯と歯の間にむし歯が出来たとき
2025年9月7日
はじめに
歯と歯の間のむし歯、どう予防する?どう治療する?
むし歯になりやすい部位には、共通点があります。
それは、「汚れがたまりやすく、除去しにくい」ところ、という点です。
そして、歯と歯の間は、まさしく「むし歯になりやすい部位」なのです。
今回は、歯と歯の間に出来るむし歯について、みていきましょう。
目次
1. 歯と歯の間に、むし歯が出来やすい人の特徴
1-1. 歯ブラシのみで歯磨きをしている
1-2. 間食が多い
1-3. 歯の質・唾液の質
1-4. 歯並びが悪い
1-5. 定期健診を行っていない・かかりつけ医がいない
2. 歯と歯の間の、むし歯を予防するには?
2-1. デンタルフロス・歯間ブラシを用いる
2-2. 間食を控える
2-3. 食べたあと歯磨きをする
2-4. 唾液の量を多くする
2-5. 定期的にクリーニングを行う
2-6. フッ素を用いる
3. 歯と歯の間に、むし歯が出来てしまったら、どうすればいいの?治療法は?
4. まとめ
1. 歯と歯の間に、むし歯が出来やすい人の特徴
日常生活における行動で、むし歯の出来やすさは変わっていきます。
歯と歯の間にむし歯が出来やすい人の特徴をみていきましょう。
1-1. 歯ブラシのみで歯磨きをしている
歯と歯の間は、細くて深い谷間のようになっているため、歯ブラシの毛先が届きにくい場所です。
歯ブラシのみでの歯磨きでは、歯と歯の間の汚れは50~60%程度しか取り除くことができないと言われています。
1-2. 間食が多い
お口の中は通常、中性に保たれています。
食事をすることで、お口の中は酸性に傾きます。
そして、pH5.5より低くなると、歯の表面が溶かされていくのです。これを脱灰(だっかい)といいます。
食事が終わると、唾液の作用なども手伝って、ゆっくりと中性に戻り、脱灰によって溶かされた歯の表面が元に戻っていきます。これを再石灰化(さいせっかいか)といいます。
しかし、間食が多かったり、ダラダラと食べ物・飲み物を口にしていたりすると、お口の中は酸性に傾いたまま元に戻りません。
すると、再石灰化が行われずに脱灰ばかりが進んでしまい、むし歯へと進行していってしまうのです。
1-3. 歯の質・唾液の質
ここでの歯の質とは、歯の外側のエナメル質の厚みや、表面の凹凸の有無、歯の溝の形状・深さのことなどを指します。
表面に凹凸がある場合や、溝が深い・複雑な形状をしている場合は、汚れが溜まりやすく除去するのが難しいため、むし歯になりやすくなります。
また、歯を外界の刺激から守ってくれるエナメル質が薄い歯は、むし歯の進行が早くなります。
唾液には、酸性に傾いたお口の中を中性に戻し、溶かされた歯の表面にカルシウムやミネラルを与えて再石灰化を促す作用があります。
この作用が強い唾液は、むし歯の発生を抑えることができ、反対にこの作用が弱い唾液は、むし歯が進行しやすいということができます。
また、唾液の量が多いと、菌や汚れを唾液で機械的に洗い流すことができます。唾液の量が少ないと、菌や汚れを洗い流す効果が小さくなります。
歯の質・唾液の質は、努力して変えることはできません。
自分のお口の中の状態を把握して、むし歯になりやすい場合は、よりいっそう注意してむし歯予防を行う必要があります。
1-4. 歯並びが悪い
隣り合う歯同士が重なるように生えていたり、ねじれて生えていたりしていると、歯ブラシが届きにくくなり、磨き残しが多くなる傾向にあります。
歯間ブラシが入らない場合などもありますね。
また、上下の歯がしっかり咬み合っていないと、食べ物を咬む際の動きで、歯の表面の汚れが除去されることがありません。
歯列不正は、むし歯の発生と深いかかわりがあるといえるでしょう。
1-5. 定期健診を行っていない・かかりつけ医がいない
定期健診を行っていない方は、歯が大きく欠けて初めてむし歯の存在に気が付くことが多くあります。
なぜなら、歯と歯の間のむし歯は、目視ではなかなか見つけることが難しいからです。
定期健診では、目視の他にもレントゲン写真を用いた検査などによって、お口の中のチェックを行っていきます。
クリーニングの最中にむし歯の兆候に気が付くこともあります。(歯の表面がザラザラしている、フロスがひっかかるなど)
そのため、早い段階でむし歯を発見することができます。
早めに発見することで、治療が必要になっても、削る量も少なく済むという利点もあります。
2. 歯と歯の間のむし歯を予防するには
歯と歯の間にむし歯を作らないようにするには、どうすれば良いのかをみていきましょう。
2-1. デンタルフロス・歯間ブラシを用いる
歯磨きの際に歯ブラシだけではなく、デンタルフロスや歯間ブラシを用いるのが最も効果的です。
歯ブラシと併用してフロスを用いることで歯間部のプラーク除去効果は79%に、歯間ブラシを併用することで85%に上昇するのです。
歯間ブラシには、形状や太さの種類があります。歯間部の形に合わせて、最適な形状やサイズを使用するのがポイントです。
どのようなものが自分に合っているのかは、歯科医院で気軽に聞いてみて下さい。
歯間部のすき間が大きい場合は、フロスよりも歯間ブラシのほうが効率良く清掃が出来るので、おすすめです。
2-2. 間食を控える
間食を控えることで、お口の中が中性の状態を長い時間保つことができます。
デザートは、食後に食べることをおすすめします。
食事と食事の間に食べるよりも、食事と連続して食べたほうが、お口の中が酸性である時間を短くすることが出来るからです。
また、日常での水分摂取の際、糖分を含んだ飲み物は、お口の中を酸性に傾けてしまいますので、無糖のものをお勧めします。
2-3. 食べたあと歯磨きをする
歯磨きをすることで、お口の中を酸性から中性に素早く戻すことができます。
また、細菌の栄養源となる食べ物のカスを取り除くことによって、むし歯を予防することが出来るのです。
そうはいっても、外出先などで食後に歯磨きが出来ない状況も多いかと思います。
そんな時は、食後にうがいだけでもする習慣付けをおすすめします。
2-4. 唾液の量を多くする
さきほど、歯や唾液の質は変えることができないといいましたが、唾液の量ならコントロールすることができます。
食事の際は、よく咬むようにしましょう。
咬むことによって、唾液の分泌が促進され、その結果、唾液の量が増えるのです。
咬むことで食物が歯に触れ、その動きで歯面の汚れが落ちる効果もあります。
また、口呼吸の癖があると、お口の中の水分が蒸発しやすくなります。
お口は閉じて、鼻呼吸を心掛けましょう。
2-5. 定期的にクリーニングを行う
歯科医院で行うクリーニングでは、専用の機械を用いることで、歯ブラシでは除去できない歯石や、歯周ポケットの深い部分の汚れなどを除去することができます。
また、歯の表面を磨いてツルツルにすることで、汚れや着色をつきにくくする効果もあります。
クリーニングを行うことで、歯石の下にむし歯が隠れていないかなどもチェックしていくことができます。
また、ご自身の歯磨きの状態・癖などをチェックして、どこに汚れが残りやすいか、どのように歯ブラシを当てていけば良いかといった、歯磨き指導も受けるようにしましょう。
家庭でのむし歯予防に繋げていくことも大切ですね。
2-6. フッ素を用いる
フッ素が配合された歯磨き粉を使うことで、むし歯菌の働きを抑えることが出来ます。
また、歯科医院で定期的に高濃度のフッ素を塗布し、歯質の強化をはかることも効果的です。
3. むし歯が出来てしまったら、どうすれば良い?
すでに歯と歯の間にむし歯が出来てしまった場合は、早めに治療を行っていくようにしましょう。
3-1. ごく軽度のむし歯
表層の脱灰が進行して、表面がザラザラする、軽度のくぼみがあるなどの、ごく軽度のむし歯の場合は、その部位のブラッシングを徹底して様子をみるということができます。
高濃度のフッ素を歯科医院で塗布することも効果的です。
ただし、定期的にむし歯が進行していないかを確認する必要があるので、かかりつけの歯科医院で行う処置だと考えていただいたほうが良いでしょう。
3-2. 軽度のむし歯
歯の表面に穴が空いてしまった場合は、むし歯の治療が必要となります。
小さなむし歯であれば、むし歯の部分だけを削ってコンポジットレジンと呼ばれる白い素材で修復していくことが可能です。(部位にもよります。)
歯を削る量を最小限に留めることが出来るということが、最大の利点です。
3-3. 中等度のむし歯
コンポジットレジンは優れた素材なのですが、歯と歯の間に使用した場合、咬む力の加わり方によっては破折しやすくなります。
コンポジットレジンでは治療が難しい部位・大きさのむし歯は、型取りをして、歯の一部分を人工物に置き換えていくインレー修復という治療を行います。
コンポジットレジンと比べると、歯質を削る量が多い、治療に2回かかるといったデメリットもありますが、コンポジットレジンよりも丈夫であるというメリットもあります。
むし歯の程度によって使い分けていくことが必要です。
4. まとめ
- 「歯ブラシしか使っていない」「間食が多い」「歯や唾液の質が悪い」「歯並びが悪い」「定期健診を行っていない」という人は、歯と歯の間にむし歯が出来やすい。
- 歯と歯の間のむし歯を予防するには、デンタルフロスや歯間ブラシを用いる、間食を控え、食後は歯磨きをする、検診やクリーニング、フッ素塗布を定期的に行うことがおすすめ。
- 歯と歯の間にむし歯が出来てしまった場合、初期のむし歯であれば、経過観察を行っていくことも可能。歯に穴が空いてしまった場合は、コンポジットレジンやインレーなどを用いて治療を行う必要がある。
歯と歯の間はむし歯が出来やすく、気が付きにくい場所です。
「最近、歯と歯の間に食べ物がつまりやすい」
「フロスを通すと引っかかるようになった」
それは、歯と歯の間にむし歯が出来たサインかもしれません。
歯間部に限らず、出来るだけ早期にむし歯が発見できるように、定期健診を受診することをおすすめします。
お口の中で気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

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