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抗がん剤治療を受けるなら、その前からの予防歯科がおすすめ

2025年8月29日

◯はじめに

がんの治療は、基本的に外科手術、化学療法(抗がん剤治療)、放射線治療の3本柱で行われています。
がん治療にはさまざまな副作用があり、抗がん剤治療も同じです。
抗がん剤の副作用のひとつにお口に関するものがあり、多くの方が悩まされています。
今回は、抗がん剤のお口に出やすい副作用とその対策についてご紹介します。
この記事を最後までお読みいただければ、抗がん剤の副作用の症状や、その対策がお分かりいただけると思います。

◯目次

◯抗がん剤と口内炎
 ◆頻度
 ◆抗がん剤で口内炎が起こる原因
 ◆起こしやすい人
 ◆口内炎の予防法
 ◆口内炎の治療法
◯抗がん剤と予防歯科
 ◆虫歯や歯周病の早期発見
 ◆お口の中の細菌数の軽減
 ◆歯磨きの工夫
◯まとめ

◯抗がん剤と口内炎

最初に、抗がん剤と口内炎について解説します。

◆頻度

抗がん剤で口内炎が起こる頻度は、30〜40%ほどです。
一般的に、抗がん剤治療を始めてから1週間前後、分子標的薬の場合は2週間目くらいから発生し、2〜3週間ほどかけて治ります。

◆抗がん剤で口内炎が起こる原因

抗がん剤を使うと口内炎が起こりやすくなる理由は、次の2つが考えられます。

▶︎抗がん剤の働き
抗がん剤は、細胞毒性により細胞を傷つけ細胞死を引き起こすことで、がん細胞を攻撃するのですが、この働きは正常な細胞にも及びます。
お口の中の細胞も同じで、お口の粘膜の細胞が傷つくことで口内炎が起こります。

▶︎白血球の減少
抗がん剤を使うと、血液を作る骨髄の働きが下がります。これを骨髄抑制作用と言います。
特に下がりやすいのが免疫力を担う白血球です。
治療を開始してから7日から10日ほどで下がり始め、10〜14日ほどで最低になり、21日前後で回復します。
白血球が減ると免疫力も下がり、お口の中の細菌数が増えます。細菌数が増えると、粘膜が傷つきやすくなり、口内炎を起こしやすくなります。

◆起こしやすい人

抗がん剤を使った場合に口内炎を起こしやすい人には次のような特徴があります。

▶︎虫歯や歯周病を放置している人
虫歯や歯周病の原因は、お口の中の細菌です。
それらを放置しているということは、原因菌がたくさんお口の中にいるということです。
原因菌はプラークの中に潜んでおり、細菌数の増加により口内炎を起こしやすくします。

▶︎合い具合の悪い入れ歯を使っている人
入れ歯の合い具合が悪いと、それだけで粘膜が傷付き口内炎を起こします。
抗がん剤治療では粘膜が弱くなるため、入れ歯による口内炎も起こりやすくなります。

▶︎歯磨きの習慣のない人
歯の表面を擦ると白いカスのようなプラークが取れてきます。
これは虫歯や歯周病の原因菌の集合体で、毎日の歯磨きで除去されるものです。
歯磨き習慣が乏しいとプラークが残り、口内炎のリスクが高くなります。

▶︎唾液の少ない人
唾液には、粘膜を治す作用があります。
唾液が少ない方は、抗がん剤で傷ついた粘膜を治しにくく、口内炎を起こしやすくなります。

▶︎タバコを吸う人
タバコの煙に含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があります。
酸素や栄養が届きにくくなると、新しい細胞が作られず、粘膜が修復されないため口内炎が起こります。
これをニコチン性口内炎と呼びます。
抗がん剤治療を受けていなくても口内炎リスクが高まるため、喫煙者は特に注意が必要です。

◆口内炎の予防法

残念ながら抗がん剤による口内炎を完全に予防する方法はありません

◆口内炎の治療法

抗がん剤による口内炎を治す効果的な治療法は今のところありません。
症状を少しでも軽くする治療、または悪化を防ぐ治療が中心です。

◯抗がん剤と予防歯科

抗がん剤治療を受ける前に予防歯科を受診すると、次のような効果が得られます。

◆虫歯や歯周病の早期発見

予防歯科では、まず虫歯や歯周病の有無を確認します。
自分では気づきにくい小さな虫歯や、初期の歯周病も早期に発見できるため、悪化する前に治療するチャンスが生まれます。

◆お口の中の細菌数の軽減

予防歯科では、スケーリング(歯石除去)PMTC(歯の表面の研磨)を行います。
歯石はプラークが硬くなったもので、その表面は凸凹しており、プラークが付着しやすい温床です。
スケーリングやPMTCを受けることで、プラークやその温床が除去され、お口の中の細菌数を減らすことができます。

◆歯磨きの工夫

口内炎があると痛みのために歯磨きが難しくなります。
そのため予防歯科では、無理なく効率的に磨けるように使いやすい歯ブラシや歯間ブラシの紹介や、適切な歯磨き方法の指導を行います。
毎日歯科医院でクリーニングを受けるのは現実的ではないため、日常の歯磨き習慣を整えることが何より重要です。

◯まとめ

今回は、抗がん剤と予防歯科について解説しました。
抗がん剤治療を受けると、高い頻度で口内炎が起こり、多くの方が悩まされます。
口内炎を完全に予防することはできませんが、症状を和らげることは可能です。
その方法の一つが予防歯科です。
抗がん剤治療を受ける予定のある方は、治療を始める前に一度予防歯科を受診することをおすすめします。

当院では予防歯科に力を入れており、抗がん剤治療を受ける方だけでなく、虫歯や歯周病の予防を目的とした方もぜひご来院ください。

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