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がんの転移の抑制効果も期待できる?予防歯科のすごさ

2025年5月20日

目次

◯虫歯の原因菌について
  ◆虫歯の原因菌とは
  ◆ミュータンス菌のいるところ
  ◆ミュータンス菌とがん転移について
◯ミュータンス菌に対する予防歯科の取り組み
  ◆プラークコントロール
  ◆フッ素
◯まとめ

虫歯の原因菌について

まず、虫歯の原因菌についてお話しします。

虫歯の原因菌とは

虫歯の原因菌は、乳酸という酸を作り出す乳酸菌です。乳酸菌はとてもたくさんの種類があるのですが、中でも虫歯の原因として有名なのが、ストレプトコッカス・ミュータンスです。ミュータンス菌は、最も歯を溶かす力のある細菌だからです。

ミュータンス菌のいるところ

ミュータンス菌は、お口の中のどこにいるのでしょうか。歯の表面を爪や爪楊枝などで擦ってみてください。すると、白いカスが取れてくるかもしれません。この白いカスは、プラークと呼ばれています。プラークという言葉は歯ブラシや歯磨き粉のCMなどで耳にしたことありませんか。プラークは、細菌の集合体です。プラークの中には、数えきれない種類、そして数の細菌がいます。その中に、ミュータンス菌もいます。ミュータンス菌は、歯の表面についているプラークの中にいるというわけです。

ミュータンス菌とがん転移について

ミュータンス菌は、虫歯の原因菌として有名ですから、虫歯を引き起こすことは以前から知られていました。ところが、ミュータンス菌の悪影響はそれにとどまりませんでした。

ミュータンス菌は全身に

先ほどお話しした通り、ミュータンス菌は、歯の表面についているプラークの中にいます。プラークの中にはミュータンス菌のほか、歯周病の原因菌もいます。このため、プラークが歯についていると、歯肉炎を起こし歯肉が腫れます。腫れた歯肉は出血しやすくなるのですが、出血するということは言い方を変えると血管に穴が開き、血液が漏れ出していることになります。プラークの近くに血管の穴が開くので、その穴からミュータンス菌が入り込み、全身に広がっていきます。虫歯菌という名前なので、歯の表面などお口の中にしかいなさそうですが、身体中のどこにいてもおかしくないのです。

血管への作用

ミュータンス菌が血管に入り込むと、血管の壁に炎症性の変化が起こります。炎症性変化を起こした血管の壁は、粘着性が増し、血管の中を流れる細胞が付着しやすくなります。このため、血栓という血管の詰まりが生じる原因になります。

がん細胞も

がんの細胞も血管を通して身体の各所に運ばれてしまう(これが転移が起こる理由です。)のですが、ここでミュータンス菌が関係してきます。先ほどお話しした通り、ミュータンス菌により炎症性変化を起こした血管の壁にはいろいろな細胞が付着しやすくなります。もし、身体のどこかに起こったがんの細胞が流れ着くと、炎症性変化を起こした血管の壁にくっついてしまい、がん細胞の数が増えるとそこにがんが起こります。このようにして、ミュータンス菌ががんの転移に関係してくると考えられています。

ミュータンス菌に対する予防歯科の取り組み

がんの転移の原因は、ミュータンス菌だけではありませんが、少なくともミュータンス菌がいなくなれば、がんを転移させる要素が減ります。
ミュータンス菌を減らすのは予防歯科の役目です。

プラークコントロール

プラークコントロールは、プラークの量をコントロールする、すなわち減らすことです。
プラークを減らすために、予防歯科では次のような取り組みをしています。

歯石除去

歯石は、プラークが古くなって石のように硬くなった付着物です。
歯石の表面には細かな凸凹があり、プラークが付着する温床になっています。
歯ブラシでは取れないので、スケーラーという専用の器械を使わなくてはなりません。
プラークがつきにくくするために、予防歯科では歯石を除去します。

PMTC

PMTCは、Professional Mechanical Tooth Cleaningの頭文字をとった言葉です。
具体的には、歯科医師や歯科衛生士などの歯科医療者が専用の器械とペーストを使って歯の表面をきれいに磨く処置です。
歯の表面がツルツルになり、プラークがつきにくくなります。

ブラッシング説明

プラークコントロールは、歯科医院での対応だけでは不十分です。
ご自宅での歯磨きがとても重要になります。
ご自宅の歯磨きでしっかりプラークコントロールできるように、使いやすい歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロスなどをご提案します。
そして、それらを使った歯磨きの方法のコツなどを説明します。

フッ素

フッ素は、虫歯予防にとても効果があります。
その理由は、フッ素が虫歯菌の活動を抑えたり、酸に溶かされにくいように歯を強くしたり、溶かされた歯を元に戻す再石灰化作用があったりするからです。
フッ素を歯に使うと、虫歯菌、すなわちミュータンス菌の活動を抑えるので、数が減り、血管の中に入り込む量も減ります。
すると、がん細胞が血管の壁に付着しにくくなります。
予防歯科では、歯の表面にフッ素を塗るフッ素塗布を行なっています。
フッ素の利用法はいろいろありますが、中でもフッ素塗布はプラークの中にフッ素が入り込むので、より効果が高い方法です。

まとめ

今回は、がんの転移を抑える効果も期待できる予防歯科についてお話ししました。
ミュータンス菌が血管に入り込むと、血管の壁に炎症反応が起こり、血管内部に流れるさまざまな細胞がくっつきやすくなります。
そこにがん細胞が流れつくと血管壁にがん細胞がくっつくので、がんが生じる可能性があります。
予防歯科ではミュータンス菌が住んでいるプラークを減らし、ミュータンス菌の活動を抑えるフッ素塗布などを行っていますので、血管内部にプラークが入り込みにくくなります。
がんが転移するのは、ミュータンス菌だけが原因ではないので、ミュータンス菌を減らしてもがんの転移をなくすことはできません。
ですが、そのリスクを減らす一助にはなります。
がん治療を受けている方、がん治療を終えて経過観察中の方は、予防歯科でプラークコントロールに一緒に取り組みませんか。

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