歯の見た目を綺麗にする治療 ラミネートベニアとは
2025年3月28日
【目次】
- ラミネートベニアとは
- ◆ラミネートベニアとはどういうものか
- ◆ラミネートベニアの適応
- ラミネートベニアと従来の詰め物の治療を比較して
- ◆ラミネートベニアと従来の詰め物の治療を比較して 詰め物
- ラミネートベニア治療の利点と欠点
- まとめ
ラミネートベニアとは
ご存知の通り、歯科の治療ではいくつかの治療方法があります。特に見た目を気にしている方や歯の色を気にしている方には、ラミネートベニアは選択肢の一つとなる可能性があります。ラミネートベニア治療では他の治療法にはない利点もあります。これらを理解して、治療方法の選択をして下さい。
◆ラミネートベニアとはどういうものか
ラミネートベニアを簡単に説明すると、歯に行う付け爪のような治療です。歯の表面を少し削る、磨くなどをした後に薄いセラミックを歯に張り付けて治療を行います。歯を削る量は歯の表面のエナメル質内に留めるため、基本的に歯がしみたり痛みが強いということはありません。
◆ラミネートベニアの適応
ラミネートベニアにはいくつかの適応症例があります。基本的には生活歯といって、神経がある歯に対して行う治療です。
①ホワイトニング治療に適応されない、歯の変色や着色
(例:重度のテトラサイクリン歯やホワイトスポットなど)
②歯の形態不良(すきっ歯や歯の形が気になる場合)
③歯の表面に広範囲の虫歯がある場合
などが挙げられます。
ラミネートベニアと従来の詰め物の治療を比較して
ラミネートベニアについて簡単に確認した上で、従来の治療方法と比較してみましょう。ラミネートベニアは基本的に審美的な治療として前歯で使用されます。一般的な治療では詰め物や被せ物などがありますが、それらとラミネートベニアを比較した場合はどうでしょうか。
◆ラミネートベニアと従来の詰め物の治療を比較して 詰め物
前歯を虫歯の治療を行う場合には、保険の治療として一般的にレジンが使用されます。歯科医院では樹脂の詰め物やプラスチックの詰め物と説明されると思われます。レジンは奥歯や前歯の虫歯治療でも比較的審美的に治療を行うことが可能です。しかし、セラミックと比べると質感が異なります。表面の透明感がないことや経年的な変色などは起こり得ることです。また、表面の性状としてレジンとセラミックでは後者の方が汚れが付きにくいです。
◆ラミネートベニアと従来の詰め物の治療を比較して 被せ物
前歯の虫歯治療で虫歯が広範囲に及ぶ場合には、被せ物をして治療を行うことがあると思います。また、歯の形が気になる場合や歯の変色が強い場合にも被せて治療をすることがあります。これらは被せる為に歯を大きく削ることになります。もちろん虫歯であればそれを取り除く必要性があります。しかし、歯の形だけが気になっている場合に大きく削ることは歯に大きな負担をかけてしまいます。そのような時にはラミネートベニアは表面にセラミックを張り付ける治療のため、歯を削る量が少なくて済みます。
ラミネートベニア治療の利点と欠点
◆ラミネートベニア治療の利点
利点については、
①歯を大きく削らない(削らないこともある)
②変色が起こりにくい
③治療時に痛みを伴いにくい
④セラミックを用いるため審美的
以上が挙げられます。
セラミックを用いながら、歯を削る量を少なくすることができることがラミネートベニアの強みです。削る量が少ないということは、治療時の痛みを伴いにくく歯を守ることにも繋がります。またセラミックの特性である自然な見た目や経年劣化が起こりにくいということもメリットです。
◆ラミネートベニア治療の欠点
欠点については
①費用がかかる(保険診療外で自由診療のみ)
②セラミックの部位が欠けることがある
③再治療のリスクがある
④適応症例が限られる場合がある
以上が挙げられます。
費用がかかることが1番のネックかもしれません。残念ながらラミネートベニアは保険では認められていません。どこの歯科医院でも自由診療内での治療になります。費用は歯科医院ごとに異なり、1本10万円程度かかることも珍しくありません。また、セラミックはお茶碗やガラスなどと同じ性質を持っています。一瞬の強い力に耐えられずに一部がチップや割れ、時には外れてしまうこともあります。また、前歯に付け爪の用に張り付けて治療を行いますが、歯茎のラインが変わってしまうと、ラミネートベニアと歯との適合が悪くなり再治療が必要なことがあります。その他に適応症例が限られることがあります。例えば、かみ合わせの状態で異常に負荷がかかる歯やブリッジの支え(支台歯)にはラミネートベニアは使用できません。
◆ラミネートベニア治療の注意点
ラミネートベニアは利点がある一方で上記のような欠点があります。治療においてはセラミックが割れないように厚みを持たせて作成したり、細かい咬み合わせの調整を行う必要があったりします。実際にはお口の中の治療に入る前に模型上でどのように治すのかシュミレーションを行い治療を行うことが多いと思います。しかし、口の中では微妙な違いが患者さんにとっては、大きな違和感と感じてしまうことがありシュミレーション通りにならない事があります。例えば、元々すきっ歯の方に対して治療を行い隙間を無くそうとすると、歯の幅が広がり歯が大きく見えてしまいます。このような症例ではラミネートベニアで治療をするか、矯正治療を行うべきなのか十分に検討してから治療を行う必要があります。
まとめ
ラミネートベニアについて確認してきました。歯をほとんど削らずにセラミック治療を行うことができる点では非常に歯に優しく、審美的な回復が可能です。適応症例がありますのでご自身にあった治療なのかどうか、気になる場合には歯科医院で確認してもらうようにしましょう。