歯並びが悪い!~不正咬合とは?~
2025年2月21日
皆さんこんにちは!こんばんは!
最近になって、子供のころから矯正治療を行っていたり、若い女性を中心にマウスピースを使った矯正治療やワイヤー矯正を行っている方は年々増加しています。これ自体は、患者様の審美面での要求が高まっており非常に良いことです。矯正治療を行っている方々の悩みはたいていの場合、「歯並びが悪い」ということであると思います。
では、歯並びが悪いとは具体的にどのようなものがあるのでしょうか?そして、歯並びが悪いことによってもたらされる障害について解説していきたいと思います。
皆さんのお口は歯並びがいいですか?
目次
- ①不正咬合とは?
- ◆不正咬合の正体
- ◆なぜ不正咬合が生じる?
- ②不正咬合の種類
- ◆歯の位置異常
- ◆数歯にわたる位置異常
- ◆骨格性の異常
- ◆咬合関係の異常
- ③まとめ
不正咬合とは?
まずは「不正咬合」とは一体何でしょうか?「不正咬合」と聞くとあまり聞きなじみがありませんよね?一般的に不正咬合は「歯並びが悪いこと」を指します。しかし、不正咬合は単に歯並びが悪いだけではありません。
不正咬合の正体
不正咬合には大きく分けて2つの場合があります。1つ目が「歯列不正」です。これは文字通り、歯並びが悪い状態をさします。2つ目が「顎変形症」です。顎変形症は、顎の骨(上顎骨と下顎骨)が過度に成長しすぎたり、逆に成長が不十分であったりすると生じます。いわゆる「受け口」が最も代表的です。受け口は下顎骨が過度に成長しすぎたり、上顎骨の成長が悪いと下あごが飛び出て見えるためこのように呼ばれています。
なぜ不正咬合が生じるのか?
ではいったい不正咬合はなぜ生じるのでしょうか?
一般的に歯列不正が生じる原因は歯が並ぶためのスペース不足にあります。顎の骨の中に埋まっている歯ですが、十分なスペースがなければきれいに並ぶことはできません。現代人では、顎の骨が段々と縮小傾向にあり、自然に歯列不正が多くなっています。
また、顎変形症が生じる原因はあまりよく分かっていません。遺伝性であったり、ホルモンの分泌異常によって生じるとされています。このため、顎変形症は多因子疾患と位置付けられています。
さて、皆さんがイメージする歯並びの悪さ以外にも、顎の骨の問題も不正咬合に入ります。単に歯並びだけが矯正治療を行う上での問題ではないということをご理解いただけたでしょうか?このため、矯正治療中は、何枚もレントゲン撮影を行い、骨の問題がないのかを常に把握しなければならないのです。なぜなら、歯列不正と顎変形症では、治療法が全く異なるからです。
不正咬合の種類
それでは具体的に不正咬合にはどのようなものがあるか見ていきましょう。皆さんも自分のお口をよく観察してみてください。一体いくつの不正咬合が当てはまりますか?
歯の位置異常
- ▶︎転位
歯が歯列弓の正しい位置から逸脱することを指します。歯列よりも内側に逸脱すると舌側転位、外側に逸脱すると頬側転位といいます。このほかにも2種類あります。 - ▶︎傾斜
歯の軸が頬側や舌側に傾いていることです。傾く方向には転位と同じように頬側、舌側などの種類があります。
- ▶︎移転
歯の萌出位置が隣の歯やもっと離れた別の歯と入れ替わっていることを言います。
- ▶︎捻転
歯が回転して生えている状態です。
数歯にわたる位置異常
- ▶︎叢生
いわゆる歯並びがガタガタな状態です。複数の歯にわたって、傾斜や転位が生じている状態を指します。 - ▶︎正中離開
一般的に上顎の前歯の左右に隙間がある状態です。一般的には「すきっ歯」といわれる状態です。
骨格性の異常
顎の骨の成長状態によって生じる異常です。例えば、アントニオ猪木さんのような受け口や明石家さんまさんのような出っ歯などがイメージしやすいです。これらは歯の位置異常の問題もありますが、顎の骨の成長が足りなかったり、成長しすぎたりすることで生じる顔貌や噛み合わせの不調を指します。
- ▶︎下顎前突症
下顎骨が通常の場合よりも前方に突出している状態です。 - ▶︎上顎前突症
上顎骨が通常よりも前方に突出している場合を指します。 - ▶︎左右非対称
主に、下顎骨や上顎骨が、お顔の正中(真ん中)を中心に非対称の形態となっている状態を指します。
咬合関係の異常
- ▶︎開咬
カチッと噛んだ時に、数本の歯にわたって上下の歯が接触していない状態です。特に前歯部で見られます。 - ▶︎過蓋咬合
カチッと噛んだ時に、前歯部が正常な状態よりも深く咬合している状態を指します。噛んだ時に上の前歯で下の前歯が隠れてしまうような状態です。
不正咬合についていくつか解説しました。これでもほんの一部しかありません。みなさんの歯並びが人それぞれ異なるように、不正咬合もたくさんあります。
不正咬合が生じる原因は様々です。例えば、指しゃぶりやベロ遊びのような悪い習慣や、乳歯の早期の喪失、歯の萌出を妨げる膿の袋などの障害物の存在などがあります。そのほかにも、先天性疾患の1つの症状として口腔内に症状が現れるなどの場合もあります。多種多様な原因が複雑に絡みあって、不正咬合が生じます。それぞれの原因をしっかりと診断・特定したのちに治療を行なっていくことが重要と言えるでしょう。
まとめ
今回は不正咬合にはたくさんの種類があることを紹介しました。皆さんのお口の中はどうだったでしょうか?今回ご紹介した不正咬合がいくつ当てはまりましたか?これらの不正咬合は矯正治療によって改善することができます。矯正治療は自費診療ですが、それによってもたらされるメリットは数多くあります。お悩みの方は是非一度お近くの矯正歯科やかかりつけ歯科にご相談ください。