う蝕処置の治療法C3において、歯髄炎と根尖性歯周炎を簡単に理解しよう!
2025年1月21日
【目次】
- ◯C3における治療法
- ◯歯髄炎と根尖性歯周炎の違い
- ◯根管充填、根充(コンジュウ)
- ◯根充後の処置
- ◯まとめ
C3における治療法
虫歯が象牙質を超えて神経に及ぶもの又は虫歯が進行して根の先が化膿したものについて見ていきたいと思います。虫歯の状態や症状によっては歯髄鎮静療法と言って、歯髄に炎症が起きない様に薬で保護して詰める事もあります。また、暫間的間接覆髄という方法もあります。
これは虫歯を取っている最中に、まだ虫歯は微量に残っているがこれ以上削ると神経に達してしまう場合に虫歯の部分を一部残して詰める方法もあります。これらは基本的に自発痛(何もしなくてもズキズキ痛む)がある場合や既に根の先に炎症を起こしている歯には適用になりません。
ズキズキ痛む場合は、不可逆性の歯髄炎(痛みが引く可能性が低い歯髄の炎症状態)と診断され、歯の神経を取る事になります。その他にも虫歯を放置しておくと、根の先が炎症や化膿を起こす状態になることもあります。その場合も歯髄に対しての処置が必要になります。
歯髄炎と根尖性歯周炎の違い
歯科で用いられる用語の中にpul(プル)というものがあります。これは歯髄炎を意味しますが、歯髄炎にはいくつか種類があります。まず自発痛があるかどうか、誘発痛(噛んだり冷たいものや熱いものを口に含んだり、何かした後に生じる痛み)の場合はそれがどの程度続くのかも指標になります。
基本的に自発痛は痛みの引く可能性が低く、歯髄の炎症が高まってしまっている状態です。この場合は急性症状があると診断され、抜髄といって神経を取る処置になります。急性があれば慢性もあります。痛みがほぼなく、誘発痛ものさほど感じない場合も歯髄炎には存在します。
若年者の場合に多い歯髄炎として、慢性潰瘍性歯髄炎というものがあります。これはすでに虫歯が神経に達しているにもかかわらず、痛みがあまりない事があります。虫歯で開いた穴に食べ物が詰まると痛いという程度です。しかしながら、実際には虫歯は神経に到達していて歯の中がボロボロになっていることがあります。この場合も抜髄になるケースがほとんどです。
根管充填、根充(コンジュウ)
根治や抜髄が終わった歯には最終的に根管充填(根充)と言って、根菅の中を材料で満たし根管に細菌が入らないように埋める処置をします。患者さんには分かりやすい様に、根の中に薬を詰めるという説明がなされるかもしれません。
一般的に良く詰められる材料としては、ガッタパーチャという材料が用いられます。ガッタパーチャは樹木から精製されるゴムの様な材料です。根管の中を綺麗にした後、それを用いて隙間がないように詰めていきます。
根充後の処置
根充後は歯の崩壊度が少しであれば直接レジンで修復することもあります。しかし、抜髄や根治を行った歯は崩壊度が高い場合が多く間接法で治す事が多いです。残った自分の歯が少なかったり、薄かったりする場合はその部位が割れる可能性もあるため被せる事も少なくありません。
まとめ
虫歯が大きく進んだり、根の先が炎症を起こしたりすると、抜髄や根治になる事が多くなります。こうなってしまうと、その歯の治療に非常に時間がかかる場合があるため避けたいところです。
特に根管治療は、可能な限り根の中の汚れや細菌を除去しなくてはならず、なかなか治らずに患者さんも歯科医師も悩んでしまうケースもあります。根管治療は歯を残す最終手段のような処置です。これで治らないと歯を残すことが難しくなる場合も出てきてしまいます。ここまでになる前に治療をすることが望まれます。