ブラックトライアングルとは?歯の間にある隙間が気になった場合
2024年10月9日
【目次】
- ・ブラックトライアングルとは
- ・ブラックトライアングルの原因
- ・ブラックトライアングルの治療と予防
- ・まとめ
ブラックトライアングルとは
歯茎が何らかの原因で痩せてしまうと、歯茎と歯と歯の間に囲まれた場所に三角形状の隙間が出てくることがあります。これをブラックトライアングルと呼びます。日常的に痛みを誘発させてしまうことはありません。しかし、隙間になるためゴマなどの食べ物が入り込みやすくなったり、すきっ歯のように見えたりすることがあります。
ブラックトライアングルの場所
ブラックトライアングルは歯と歯の間があればどこにでもできます。場所としては、歯と歯が接触するコンタクトと呼ばれる部位を頂点とし、そこから歯茎までの間の隙間を指します。この部位には歯間乳頭という歯茎が正常であればあるはずです。しかし、歯茎が痩せて下がるとブラックトライアングルが目立つようになります。生理的にも加齢とともに歯茎は下がってしまうため、ある程度は仕方がない部分もあります。
ブラックトライアングル症状
一般的にブラックトライアングルによって痛みが起こるということはありません。しかし、隙間になっているので汚れが停滞しやすいことや前歯であれば隙間が目立って見た目に影響が出ることがあります。汚れが停滞しやすい場合には歯ブラシや歯間ブラシなどで汚れを除去し、歯周病や虫歯を防ぐ必要性があります。仮に元々ブラックトライアングルがあった場合、治療をしていないにも関わらずブラックトライアングルが消失するということは基本的にはありません。このような場合には歯茎が歯肉炎などで腫れてしまい、一時的に隙間が埋まってしまっている可能性があります。病的に歯肉が埋まってしまっていることがあるので注意が必要です。
ブラックトライアングルの原因
ブラックトライアングルの原因、つまり歯間乳頭が失われる原因はいくつか考えられます。
- ①加齢
- ②歯周病
- ③歯ぎしりなどの癖
- ④歯ブラシの不適切な使用
- ⑤矯正治療によるもの
ブラックトライアングルの原因 ①加齢
残念ながら加齢により歯茎が下がることがあります。生理的な現象のためある程度は仕方がない部分です。患者さんの中には若い頃は歯並びや歯茎の形態がもっと綺麗だったと仰る方がいます。しかし、年齢を重ねると徐々に歯並びや歯茎の状態は変化していきます。
ブラックトライアングルの原因 ②歯周病
歯茎の形を変えてしまう病的なものとして1番代表的なものが歯周病です。歯周病は痛みがなく進行し歯を支える繊維や骨を徐々に喪失に導きます。骨や繊維が失われると、必然的にブラックトライアングルが形成されやすくなります。ブラックトライアングルは歯周病により歯茎が腫れて無くなることがあります。しかし、病的に隙間が埋まっただけで治癒したわけではないので歯周病の定期的な確認は重要です。
ブラックトライアングルの原因 ③歯ぎしりなどの癖
歯ぎしりは歯自体をすり減らすこともありますが、歯茎の退縮を導くことがあります。歯ぎしりなどの異常な力は歯だけではなく、歯茎にも悪影響を及ぼすことがあるので注意が必要です。
ブラックトライアングルの原因 ④歯ブラシの不適切な使用
歯ブラシで歯を磨くときにゴシゴシと力強く磨いている方はいないでしょうか。大きな力と動かし方は、歯をいたずらに傷つけるだけではなく歯茎も下げてしまう原因になります。歯科医院で歯磨きの指導を受けた方は、歯と歯茎の間をしっかりと磨くように指導されることが多いと思います。もちろん間違ってはいないのですが、一生懸命磨こうとして力強く磨く方がいらっしゃいます。過剰な力はかえって汚れがうまく取れないだけでなく、歯や歯茎を痛めてしまう原因になります。
ブラックトライアングルの原因 ⑤矯正治療によるもの
矯正治療では理想とされる歯並びにするためにワイヤーなどで歯を動かし、時には便宜的に抜歯を行うこともあります。歯が動くとそれに伴って歯茎の形態も変化していきます。矯正治療後の変化として、歯が短くなることや歯茎の形態が変化することは比較的多く見られます。
ブラックトライアングルの予防と治療
ブラックトライアングルの原因を確認した上で予防と治療を確認しましょう。予防においては、まず歯茎に病的な変化を起こさせないようにすることが大切です。その最たる例が歯周病の対策です。基本的には適切な歯磨きによって防ぐことが可能ですが、歯ブラシだけの歯磨きや歯にある詰め物や被せ物が合っていない場合などは汚れが付着したままになりやすいです。これらは自分自身で確認することが難しいため、定期的に歯科医院で確認してもらうことが望ましいです。治療のために受診するのではなく、予防のために受診することが大切です。
ブラックトライアングルの予防
予防において自分で出来ることは不必要な力を歯や歯茎にかけないことも挙げられます。歯磨きをする時の力加減、日中や夜間に歯ぎしりや食いしばりをしていないかどうかを確認してみましょう。夜間に歯ぎしりなどをしてしまうのは無意識下のため予防することが困難です。可能であればマウスピースなどを使用して、歯に力が直接的にかからないようにすることがあります。
ブラックトライアングルの治療
歯茎の形態を変えて隙間を少なくする歯周外科治療というものがあります。歯茎が退縮してブラックトライアングルが目立つ部位にメスを入れて、歯茎の形態を整える方法です。この際に歯茎のボリュームが足りない場合には、どこか違う場所から歯茎を移植することもあります。治療方法としては知られているものですが効果が確実に得られるとは限りませんし、治療後にまたブラックトライアングルが出現することがあります。また、上記の原因が取り除かれない場合には治療後の後戻りが早いこともあります。
まとめ
ブラックトライアングルについて確認してきました。生理的にも歯間乳頭部位は退縮してしまうこともあり、完全に防ぐことはなかなか難しいです。しかし、病的に出現することがあるのでそれは予防するようにしましょう。定期的な検診によりブラックトライアングルを起こしやすい環境を改善するように心がけましょう。