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お口の病気が全身にも影響を!?

2023年9月22日

皆さん、歯周病は口の中だけの疾患だと思ってはいませんか?

 

実は歯周病は口の中だけでなく全身的な疾患とも深い関わりがあります。

 

今回はその中でも日本人の5〜6人に一人がなるといわれている

糖尿病との深い関係についてお話します。

 

一般的に糖尿病といわれているものは2型糖尿病をさしていることが多く、

高脂肪、高カロリーの食生活や運動不足などが

原因でインスリンが十分に働かなくなり、

血糖値が上がってしまう生活習慣病です。

 

近年、糖尿病になる人は歯周病にも

なる人が多いとわかってきました。

 

なぜ口の中の病気である歯周病と糖尿病が関係しているのでしょうか?

 

 

目次

◯歯周病に罹患していると血糖値が高くなる

 ◆歯周病の原因

 ◆歯周病と血糖値の関係

 ◆糖尿病が歯周病にもたらす影響

 

◯歯周病を治療すれば血糖値が下がる

 ◆かかりつけ歯科医院の定期受診

 ◆「糖尿病・歯周病医科歯科連携手帳」

 

◯まとめ

 

歯周病に罹患していると血糖値が高くなる

歯周病の原因

歯周病の原因の多くはブラッシング時の磨き残しが歯に蓄積してできた歯垢、

いわゆる「プラーク」と歯石です。

プラークの中には歯周病の原因となる細菌が多く含まれています。

 

歯石はプラークが時間をかけて固まったもので、

歯石の中にも同様に細菌が含まれています。

 

これらの細菌が歯と歯ぐきの隙間である

「歯周ポケット」のなかで増殖することで、

 

まず歯ぐきに炎症を起こし、出血や膿が出たりします。

さらに進行すると、歯を支えている骨にまで悪さをし、骨を溶かしてしまいます。

 

歯を支えている骨が溶けて失われてしまうほど、歯周ポケットは深くなっていきます。

最終的には骨が歯を支えきれなくなり、歯が抜けてしまいます。

 

歯周病と血糖値の関係

糖尿病の原因の一つに「サイトカイン」があります。

サイトカインとは主に免疫系の細胞から分泌されており、

糖尿病においてはインスリン抵抗性を発症させてしまいます。

 

インスリン抵抗性が高くなると血中の糖の取り込み能が低下し、

血糖値が下がりにくくなってしまいます。

 

歯周病の炎症により、

出血したり膿が出ていたりする歯周ポケットからは

サイトカインが放出されています。

 

このサイトカインが血流にのってインスリン抵抗性を進行させ、

糖尿病をより悪化させてしまっているのではないかといわれています。

 

糖尿病が歯周病にもたらす影響

 

歯周尿が糖尿病に悪影響をもたらすだけではなく、

逆に糖尿病が歯周病にもたらす影響もあります。

 

 

血糖値が高くなると、

白血球などの免疫に関わる細胞の機能が低下し、

外部から侵入した病原体と戦う能力が低下してしまう状態になることがあります。

 

このように感染しやすい状態だと、

口の中でも歯周病の原因細菌から体を守る免疫系がうまく働かずに、

歯周病がより進行しやすくなってしまいます。

 

歯周病を治療すれば血糖値が下がる

かかりつけ歯科医院の定期受診

歯周病の治療において最も大事なのは、

患者様自身による「プラークコントロール」です。

 

プラークコントロールとは、プラークを減らし、

歯周病の原因となる細菌を取り除くことです。

 

プラークはブラッシングによる機械的刺激で容易に除去できます。

そのため、毎日正しい方法でブラッシングすることがとても大切になります。

 

かかりつけ歯科医院をつくり、正しいブラッシング方法を指導してもらいましょう。

 

歯ブラシの種類、歯磨き粉や洗口剤の種類、ブラッシングに使う道具など、

 

歯周病ケアにはさまざまなものがありますが、

自分にあった道具を選ばないとプラークを適切に取り除くことはできません。

 

かかりつけ歯科医院でそのときその症状にあったブラッシング方法を

指導してもらうことが重要になります。

 

当院でも一人一人の歯並びや生活習慣に

合わせたブラッシング方法を提案しております。

 

また、患者様自身によるプラークコントロールに加えて

プロによる機械的な除去も大事になってきます。

 

プラークはブラッシングで除去できますが、

歯石はブラッシングでは除去することができませんが、

歯科医院で「スケーリング」をおこなうことで

確実に取り除くことができます。

 

セルフケアで足りない部分を定期的に歯科医院で補うことが必要です。

 

「糖尿病・歯周病医科歯科連携手帳」

このような背景より、「糖尿病・医科歯科連携手帳」が作成されました。

この手帳には、

「医科受診の際に歯周病リスクチェックをおこなう」

「歯科受診の際に糖尿病リスクチェックをおこなう」

「医科歯科双方で糖尿病及び歯周病患者をスクリーニングし、治療を促す」

「医師・歯科医師・患者の三者がそれぞれ病状を把握できるようにする」

という4つの大きな狙いがあります。

 

 

この手帳はかかりつけの医療機関にて受け取ることができます。

糖尿病・歯周病の治療の手助けとなりますので、ぜひ活用してみてください。

 

◯まとめ

歯周病と糖尿病には深い関係があります。

 

かかりつけ医とも連携をおこない、

定期的な歯科受診で歯周病の進行度をチェックして、

歯周病と糖尿病を並行して治療していくことで、

相乗効果が期待できます。

 

 

また、歯周病の治療では適切なセルフケアをおこなうことがとても重要になってきます。

当院でも適切なセルフケアをおこなうためのアドバイスや定期検診を

随時行っておりますので、

わからないことがあればいつでもお気軽にご相談ください。

初診「個別」相談へのご案内

当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。

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