歯医者の治療回数が多くなるのはなぜ?
2025年10月21日
◯はじめに
治療回数が多いことに関して、不満を持っている方も多いと思います。こちらの記事では、なぜ歯医者は治療回数が多いのかを説明しています。理由を知っていただければ納得して治療を受けることができるのではないでしょうか。
また治療回数を減らすために予防、早期発見、早期治療の重要性も説明しています。
◯目次
- ◯歯医者は何回も通わなくてはいけないイメージ
- ◯どうして何回も通わなくてはいけないのか
- ◆治療計画が段階的だから
- ◆虫歯の進行具合による
- ◆入れ歯を作る
- ◆基本は1歯ずつの治療
- ◯途中で治療をやめたらどうなるか
- ◯何回も通わずにすますには
- ◯まとめ
◯歯医者は何回も通わなくてはいけないイメージ
「何回も通わなくてはいけない…」
「治療が全然終わらない…」
そんな風に歯医者のイメージを持っている方も多いと思います。
確かに歯医者の治療は長引きます。しかし、それは歯科医院側がわざと治療回数を増やして利益を得ようとしている訳ではありません。正当な理由があります。
なぜ歯医者の治療は回数がかかるのか、という疑問にお答えしたいと思います。
◯どうして何回も通わなくてはいけないのか
どうして歯医者の治療は何回も通わなくてはいけないのか。よく聞く疑問です。
以下の2点が大きな理由として考えられます。
- ・虫歯は自然に治らない
- ・特効薬がない
風邪と違い、虫歯は自然に治ることはなく治療が必要な病気です。
また、むし歯や歯周病には特効薬が無いことも治療回数が必要な理由です。以下で詳しく解説いたします。
◆治療計画が段階的だから
虫歯でも歯周病でも一度にすっきり治せるわけではなく段階的に治療を進めていかなくてはいけません。
例えば、歯周病の場合をご紹介します。
- ①歯ぐきの状態の検査、レントゲン写真撮影
- ②歯のクリーニング、PMTC(歯科医院での専門的なお掃除)
- ③歯磨き指導など
- ④歯石取り
- ⑤改善しない場合は歯周外科治療で奥の歯石を取る
- ⑥グラグラしている歯の治療
- ⑦メインテナンス
歯周病の場合は患者さんご自身での歯磨きも大事になってきますので、日頃のケアが丁寧に行われているかどうかでも治療回数が変わってきます。
また虫歯治療の場合は虫歯を除去した後、そこから更に被せ物を作る治療、抜歯した場合はインプラントやブリッジ、入れ歯など抜けた歯の代わりになる補綴物を作る治療も必要になります。
上記のように、治療には段階を踏まなくてはいけないので回数がかかってしまいます。
◆虫歯の進行具合による
▶︎小さな虫歯の場合
虫歯の箇所を削って詰め物を作る必要があります。
コンポジットレジンを充填するだけでしたら即日中に終わりますが、詰め物であるインレーを作る場合は、
- 当日中 虫歯の除去→インレーの型取り
- 次の週 できあがったインレーを装着→咬み合わせ調節
- 次の週 咬み合わせが適切かどうかを調べる
以上のように2〜3回来院していただく必要があります。
▶︎大きな虫歯の場合
虫歯が広がって、歯根の根管まで感染が広がり歯髄が死んでしまった場合は感染根管治療し、被せ物を行うが必要があります。
この感染根管治療と被せ物を作ることが「歯医者は回数がかかる」と言われる主な原因です。
それぞれどのような流れかを下記で説明します
【感染根管治療】
- ・歯冠の虫歯を取る
- ・根管内の感染して死んだ歯髄を取る
- ・根管内を洗浄・消毒をする
- ・炎症が治まるまで洗浄・消毒を毎週繰り返す
- ・炎症が治まると根管内に詰め物をする
【被せ物を作る治療】
- ・型取り
- ・翌週に被せ物を装着する
- ・咬み合わせ調節
- ・翌週に咬み合わせが適切かのチェック
以上で虫歯の治療が終わりです。
根管まで虫歯が広がると感染根管治療が必要になってきます。そこまで広がるまでに来院してください。
小さな虫歯で進行を食い止める、または定期健診で予防・早期発見することで歯医者に通う回数を減らすことができます。
◆入れ歯を作る
歯がなくなって入れ歯を作る場合も回数がかかります。
- 1.型取り
- 2.咬み合わせを取る
- 3.試適(最終の入れ歯の前の確認)
- 4.入れ歯の完成
- 5.調整
全て1週間おきなので約1カ月かかることになります。
歯がなくなるとそこを埋めるためにインプラントやブリッジ、義歯などを作る必要があるので回数がかかってしまいます。日頃からのケアで歯を大切にしてください。
◆基本は1歯ずつの治療
何本か悪い歯がある場合、一度に全て治すことは難しいです。治療の予約の枠が1人あたり30分程度であることも理由ですが、複数の歯を同時に削ったり補綴物を入れてしまうと咬み合わせがバラバラになってしまうからです。
咬み合わせの位置はとても繊細で、少し違っても違和感を感じてしまいます。食事がしにくくなったり、顎関節症や肩こりなどの原因にもなります。
1歯ずつ治し、咬み合わせを調節しながら治療する必要があります。
◯途中で治療をやめたらどうなるか
面倒くさくて歯医者に行くのを途中でやめてしまった経験はありませんか。確かに何度も通うのはたいへんですよね。
しかし、虫歯は自然に治ることはありませんし、広がり続けます。広がり続けると歯髄が死んでしまい感染根管治療をしなくてはいけない状態になってしまいます。そうすると通院回数が増えることになります。
歯周病であっても、歯石は歯ブラシで取れず、現在の状況を変えない限り歯周病の進行は止まらないでしょう。
また、仮歯のまま来なくなってしまう方もいらっしゃいます。最近の仮歯は歯と変わらない色味で目立たなく丈夫にはなっていますが、取れやすく、また汚れやすいのでトラブルが起こりやすいです。
仮歯の隙間から虫歯になることもあるので、仮歯のまま過ごすのはやめてください。
以上のように、お口の中のトラブルは止まることなく進行する一方です。
歯科医院での早めの治療、定期健診による早期発見、日頃のケアによる予防が歯医者に通院する回数を減らす一番の方法です。
◯まとめ
歯医者に通わずにすむ一番大事な方法は予防です。丁寧な毎日の歯磨きによってお口のトラブルはたいてい防ぐことができます。
また、早期発見することでトラブルがひどくならないうちに治療することができます。
定期健診によりお口の中のトラブルを早期発見することができるので、ぜひ定期健診にはお越しください。
予防・早期発見・早期治療が通院回数を減らす鍵です。

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