虫歯が原因で顎が痛くなることってあるの?
2025年6月18日
はじめに
虫歯になると”歯が痛くなる”というのは、みなさん、容易にお分かりいただけると思います。
ですが、虫歯のせいで”顎が痛くなる”というのは、想像しにくいのではないでしょうか。
実は、虫歯は歯の痛みだけでなく、顎の痛みの原因にもなることがあるのです。
そこで今回は、虫歯と顎の痛みの関係についてご紹介します。
この記事を最後までお読みいただけると、虫歯で顎が痛くなる理由と、そのときの治療法がお分かりいただけると思います。
目次
- ◯虫歯で顎が痛くなる理由
- ◆根尖病巣
- ◆歯根嚢胞
- ◆歯槽骨炎
- ◆骨膜炎
- ◆骨髄炎
- ◆上顎洞炎
- ◯顎が痛くなったときの治療法
- ◆薬物治療
- ◆切開
- ◆虫歯治療
- ◆抜歯
- ◯顎が痛いときの注意点
- ◆放置しない
- ◆受診までの間の注意点
- ◯まとめ
虫歯で顎が痛くなる理由
まず、虫歯で顎が痛くなる理由を説明します。
根尖病巣
虫歯が進行すると、歯の神経が虫歯菌に侵されて、腐ってしまいます。
歯の神経が腐ると、歯の神経があった根管という歯の空洞の中で、細菌が繁殖します。
根管の中で増えた細菌は、歯の根の先から顎の骨の中に出てきます。
すると、そこで待ち受けている白血球との戦いが始まります。
膿は、細菌や白血球の死骸が集まったものですから、顎の骨の中に膿がたまります。
これを根尖病巣と言います。
根尖病巣が急に大きくなると、その過程で、その周囲が圧迫されるので、顎の骨が痛くなります。
歯根嚢胞
歯根嚢胞は、根尖病巣と同じく歯根の先にできた内部に液体をためた袋状のできものです。
根尖病巣との違いは、液体の周りが袋のように上皮で覆われているところです。
オデキのような感じのできものと思っていただければ分かりやすいかもしれません。
歯根嚢胞は、虫歯で歯の神経を取り除いた歯の根にできます。
ほとんどの歯根嚢胞は、痛みや腫れなどの自覚症状はないのですが、何らかの原因で急に痛くなることがあります。
すると、顎が痛くなります。
歯槽骨炎
歯槽骨炎は、歯槽骨という歯の周囲の骨に起こる炎症で、多くは根尖病巣が原因で起こっています。
歯槽骨炎のほとんどは、痛みなどの自覚症状に乏しい慢性歯槽骨炎なのですが、免疫力の低下などが引き金となり、痛みを伴う急性歯槽骨炎に変わることがあります。
急性歯槽骨炎では、お口の粘膜と骨膜の間に膿瘍という膿だまりができ、その過程で顎が痛いと感じることがあります。
骨膜炎
骨の周りを覆っている膜状の組織を骨膜といい、骨膜炎はそこに起こった炎症性の病気です。
虫歯が形成した根尖病巣の炎症が、内側に向かわず骨膜に沿って広がると骨膜炎になります。
炎症の範囲は、虫歯の歯を中心に限局していますが、痛みを伴います。
上顎にも起こりますが、下顎の方が症状が強く現れやすいです。
骨髄炎
骨の中には骨髄があります。
骨髄に炎症が波及すると骨髄炎になります。
顎の骨にも骨髄があり、虫歯でできた根尖病巣から細菌が入り込むと骨髄炎が起こります。
顎の骨髄炎では、顎の深いところからの強い痛みが生じます。
上顎洞炎
上顎洞は、上顎骨の上にある骨の空洞で、隣には鼻、上には目があります。
上顎の奥歯に虫歯、そして根尖病巣が生じると、上顎洞にも炎症が広がります。
すると、上顎の奥歯から目の下あたりにかけて痛みが生じます。
顎が痛くなったときの治療法
虫歯が原因で顎が痛くなったときの治療法を説明します。
薬物治療
顎の痛みに対して、薬を使った治療が行われます。
抗菌薬
虫歯の原因は、お口の中にいる細菌ですので、顎の痛みの原因も細菌です。
そこで、原因菌に対処するために抗菌薬を処方します。
ペニシリン系の抗菌薬が効果的ですが、ペニシリン系の抗菌薬にアレルギーのある方は、マクロライド系など違う抗菌薬が選ばれます。
痛みのほかに、広範囲の腫れ、発熱、お口が開けられない、喉が痛い、食事がとれないなどの症状が見られる場合は、飲み薬ではなく点滴をします。
症状が強い場合は、入院して抗菌薬の点滴をすることもあります。
痛み止めの薬
抗菌薬を処方しても、すぐに腫れが引くわけではないので、しばらく痛みが続きます。
そこで、痛み止めの薬を出します。
切開
膿がたまり、ブヨっとした状態になっていれば、切開して内部にたまった膿を流し出します。
局所麻酔をしてから切開しますが、このときの麻酔はあまり効かないので、痛みを伴うことが多いですが、膿を出せれば内部の圧力が下がるので、顎の痛みを緩和できます。
虫歯治療
顎を痛くした原因の歯の虫歯治療も必要です。
虫歯を放っておいては、顎の骨への細菌感染のルートがなくならないからです。
この場合は、根管内部を消毒すると同時に、細菌が入り込んだ根管表面を削って取り除きます。
この処置を根管治療といいます。
根管治療を通して根管内部から細菌を排除し、根尖病巣を治します。
抜歯
根管治療では対応できないと考えられる場合は、原因の歯を抜歯します。
顎が痛いときの注意点
最後に、虫歯で顎が痛くなったときの注意点を説明します。
放置しない
顎が痛くなるというのは、かなり炎症が広がっているというサインです。
我慢して放置することはせず、早めに歯科医院に連絡して、診察を受けるようにしてください。
受診までの間の注意点
歯科医院を受診するまでの間にも注意しておくことはあります。
痛み止めの薬
痛みには痛み止めの薬を使いましょう。
お持ちの痛み止めの薬もあるかもしれませんが、古い薬は使わないようにしてください。
新しい薬を薬屋さんで購入することをおすすめします。
食事
痛い側で食べ物を噛むのは避け、反対側で食べるようにしてください。
冷やしすぎない
腫れたり痛くなったりしたときは、冷やすと神経が少し鈍くなるので、楽になります。
ですが、冷やしすぎるとかえって治りを悪くしてしまう恐れがあるので、冷やしすぎに注意してください。
まとめ
今回は、虫歯と顎の痛みの関係についてお話ししました。
虫歯で顎が痛くなる理由は、虫歯菌が作り出す根尖病巣にあります。
根尖病巣からの炎症が顎の骨に広がり、顎が痛くなってしまうというわけです。
抗菌薬が登場するまでは、虫歯で亡くなることは決しておかしな話ではなかったというほど、実は虫歯は恐ろしい病気です。
顎が痛くなるのも、むべなるかなというものです。
当院は、小さな虫歯から大きな虫歯まで、あらゆる虫歯治療に対応している歯科医院です。
虫歯にお悩みの方は、当院でぜひご相談ください。

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