子供の気になる歯並びとその原因
2023年10月23日
子供が笑ったり、
子供の仕上げ磨きをしたりしている時に、
子供の歯並びが気になったことはありませんか?
子供の気になる歯並びについて、その種類と原因を説明します。
【目次 】
◯健康的な歯並び
◆空隙歯列
◆萌出途中の正中離開(せいちゅうりかい)
◯気になる歯並び
◆叢生(そうせい)
◆唇側転位(しんそくてんい)
◆翼状捻転(よくじょうねんてん)
◆正中離開
◆反対咬合
◆開咬(かいこう)
◯まとめ
【健康な歯並び】
◆空隙歯列
子供の歯と歯の間に隙間があることを
気にされるご家族の方がいます。
しかし、この隙間のある歯並びは、
実は健康的な歯並びなのです。
子供の時、
乳歯の歯並びは歯と歯の間に
隙間があります。
この隙間があることが、
永久歯へ生え変わるときに重要になります。
乳歯よりも永久歯の方が歯のサイズは大きいため、
この隙間を歯が埋めてくれます。
もし乳歯の段階で隙間がない場合には、
永久歯が生えてきたときに、
綺麗に歯が並ばないことも考えられます。
◆萌出途中の正中離開(せいちゅうりかい)
7-9歳頃の上顎の前歯の永久歯が生える時期は、
真ん中に隙間があります。
これは乳歯から永久歯へ変わる歯の交換期に
見られる正常な歯並びです。
上の前歯は少し外側を向いて生えてきて、
その後、さらに両脇の前歯が生えてくるときに、
押されることで前方に移動し、
隙間がなくなります。
そのため、
乳歯から永久歯へ変わる段階では
成長観察を行うことが多いです。
ただし、上の前歯が全部生えてきたにも
関わらず隙間があいている場合には、
異常な歯並びになります。
【気になる歯並び】
◆叢生(そうせい)
歯と歯が並ぶ時に、
前後にズレ、一部重なって
並んでしまうことです。
叢生は、歯に対し歯の土台である
顎が小さいことで起こります。
土台が小さいため、
重ならざるを得ないのです。
歯と歯が重なっているため、
歯磨きが難しく、
う蝕になりやすいため注意が必要です。
また、この歯並びの場合には、
既に歯と土台の大きさに不調和があるため、
矯正治療が必要なことが多いです。
◆唇側転位(しんそくてんい)
通常よりも唇側、あるいは頬側から
歯が生えてくることを唇側転位と言います。
上顎の犬歯が唇側転位していると、
「八重歯(やえば)」と言われます。
原因は歯が生える隙間が
足りないことにあります。
本来生える隙間がないため、
外に押し出されるように
生えてくることで生じます。
叢生と同じように、
歯磨きに注意が必要です。
また、歯と土台に不調和があるため、
叢生と同様矯正治療の適応となることが多いです。
◆翼状捻転(よくじょうねんてん)
上の前歯が捻れていることです。
両脇の歯に押されることで、
歯の角度を維持できず捻れてしまうことで起きます。
乳歯から永久歯へと生えかわる時に、
生え変わる順序に問題があったり、
生える時の角度に問題があったりすると考えられています。
叢生や唇側転位と同様、
改善を希望される場合には矯正治療が必要になります。
◆正中離開
永久歯の上の前歯の間に隙間があることを、
正中離開と言います。
永久歯が生えたばかりの時は、
多くの子供に見られます。
その後、前歯の横の歯や犬歯が生えてくることで、
前方に押され、隙間が閉じていきます。
しかし、横の歯や犬歯が生えてきても、
隙間が残っている時には、正中離開とされます。
原因として、
上唇小帯(じょうしんしょうたい:上唇と歯茎の筋)の
付着異常や埋伏過剰歯(まいふくかじょうし)の
存在が挙げられます。
上唇の付着異常では、
筋となった繊維が、
埋伏過剰歯では、
歯根の間の過剰歯が原因で、
前歯を前方に押すことができず生じます。
いずれも、
歯科医院での診察やレントゲン検査が必要なため、
永久歯が生え揃っても正中離開が改善しない場合には、
歯科医院を受診し診察を受けることが大切です。
◆反対咬合
通常噛んだ時は、
上の前歯が表側に、
下の前歯が裏側になります。
しかし、
この前後関係が逆の噛み合わせを
反対咬合と言います。
下の前歯が上の前歯と比べ前にあるため、
噛み切ることが難しくなります。
幼児期から反対咬合が見られる場合には、
取り外し式の機能型矯正装置を
使用することで改善を図ることができます。
◆開咬(かいこう)
奥歯をしっかりと噛んだ時に、
上の歯と下の歯の間に隙間ができてしまうことを
開咬と言います。
しっかりと噛んでも、
前歯は噛み合わないため、
ものを噛み切ることができません。
指しゃぶりや、舌を噛む癖が
原因とされています。
指や舌を常に
前歯に当てていることから、
その分の隙間が前歯に
できてしまうことが原因です。
口呼吸が習慣化している場合、
舌の位置が不適切なため、
開咬を引き起こすことがあるとされています。
【まとめ】
よくある気になる歯並びについて説明しました。
それぞれの気になる歯並びに対して行うことは、
成長観察をすること、
悪い癖を直すこと、
そして矯正治療を行うことが挙げられます。
悪い癖とは、
指しゃぶりや口呼吸のことです。
口呼吸は歯並びだけでなく、
う蝕や歯周病のリスクも高めてしまうため、
鼻呼吸へ改善することが大切です。
また、指しゃぶりや舌を噛む癖がある場合には、
生活指導を行い改善する必要があります。
これらは短期間で効果をあげることが難しく、
長期戦を覚悟する必要があります。
もしも長く続く場合には、
かかりつけの歯科医院や保健師、
心理士に相談してみてはいかがでしょうか。
矯正治療は、
一般的な矯正治療はワイヤーを用いて行いますが、
反対咬合や開咬の場合などには、
マウスピース型の矯正装置を
使用することで改善できることもあります。
子供の気になる歯並びについて説明しました。
大切なお子様の歯並びに
深く悩んでいる方は少ないですが、
少し気になっているな、
という方は意外と多いです。
ですが、
どのような歯並びで悩んでいるかによって、
原因や対応は違います。
もしも歯並びが気になる時には、
悩んでいるのではなく、
かかりつけの歯科医院で
相談してみることをお勧めします。