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歯周病の「進行度」はどうやって判定されるのか

2026年7月21日

◯目次

◯はじめに
◯歯周病の進行度の分類

 ◆歯周病のステージ
◆歯周病のグレード

◯歯周病の検査

◆歯肉の状態の検査
◆歯の状態
◆レントゲン

◯まとめ

◯はじめに

歯周病の進行度を判定する基準に「ステージ」と「グレード」があります。それぞれ、歯周病の検査結果から程度を調べ、治療方針を立てる際に役立てます。こちらの記事では、歯周病の検査はどんなことをするのか、歯周病の進行度の判定について解説しています。歯周病に興味を持っていただければ幸いです。

日本人の約8割が歯周病、またはその予備軍といわれています。最も恐ろしい点は、放置しても自然に治ることはなく、症状は徐々に進行し、最終的に歯が抜けてしまうところです。歯周病は、初めは歯肉炎という歯肉の発赤や腫脹など歯肉に限局した症状から始まり、炎症が歯周組織に波及すると歯周ポケットが深くなり、骨の吸収、歯の動揺がみられるようになります。

では、歯科医師はどうやって歯周病の進行度を判定しているのでしょうか。歯周病の検査を歯科医院で受けたことがある方は多いはずですが、どんな検査で何を測定するかはあまり知られていないように思います。

こちらの記事では、歯周病の進行度の判定法をお伝えしています。歯周病の検査の意味を知ると、定期検診を受ける意識も変わるのではないでしょうか。

◯歯周病の進行度の分類

歯周病の進行度の分類に、「ステージ」と「グレード」の2つがあります。この2つの分類から歯周病の進行度を判定し、治療方針を定めます。こちらではこの2つの分類を詳しく解説します。

ステージⅠ ステージⅡ ステージⅢ ステージⅣ
重症度 歯間部の最も大きなCAL 1〜2mm 3〜4mm ≧5mm ≧5mm
エックス線画像上の骨吸収 歯根長1/3未満
(<15%)
歯根長1/3未満
(15〜33%)
歯根長1/3を超える 歯根長1/3を超える
歯の喪失 歯周炎による喪失なし 歯周炎により4本以内の喪失 歯周炎により5本以上の喪失
複雑度 局所 最大プロービングデプス4mm以内
主に水平性骨吸収
最大プロービングデプス5mm以内
主に水平性骨吸収
ステージⅡに加えて:
・プロービングデプス6mm以上
・3mm以上の垂直性骨吸収
・根分岐病変2〜3度
・中程度の歯槽堤の欠損
ステージⅢに加えて、複雑な口腔機能回復治療を要する以下の状態:
・咀嚼機能障害
・二次性咬合性外傷(動揺度2度以上)
・重度の歯槽堤欠損
・咬合崩壊・歯の移動・フレアアウト
・歯数20本(10対合歯)未満
範囲と分布 ステージに記述を加える それぞれのステージにおいて拡がりを、限局型(罹患歯が30%未満)、広汎型(同30%以上)、または大臼歯/切歯パターンかを記載する

<表の説明>

  • CAL(クリニカルアタッチメントロス):歯冠と歯根の境目であるセメント―エナメル境から歯肉が付着している底までの深さのことです。歯周ポケットの深さと関連する指標ですが、歯周病の進行度をより正確に評価できます。この深さが深いと歯周病が進行していると言えます。
  • 骨吸収、歯の喪失:歯周病が進行すると、歯周組織に炎症が及び歯周組織の破壊が見られます。歯を支えている歯槽骨の吸収も見られ、骨吸収が進むと、歯を支えられなくなり歯が揺れ出したり抜けることがあります。
  • 複雑度:歯周ポケットの深さと骨吸収の度合い、根分岐病変など、歯周炎が進むと見られる症状別に分類しています。

◆歯周病のグレード

グレードは歯周病の進行速度や将来的な進行リスクを表す指標です。歯周病の進行スピードや進行リスクを評価する指標です。グレードAが最も進行リスクが低く、Cに近づくにつれリスクが高くなります。

グレードA
遅い進行
グレードB
中程度の進行
グレードC
急速な進行
主な基準 進行の直接証拠
(骨吸収もしくはCALの経年変化)
5年変化なし 5年で2mm未満 5年で2mm以上
進行の間接証拠
(骨吸収%/年齢)
>0.25 0.25〜1.0 >1.0
症例の表現型 バイオフィルム蓄積は多いものの、組織破壊は少ない バイオフィルム蓄積に見合った組織破壊 バイオフィルムの蓄積程度以上に組織破壊;急速な進行and/or早期発症を示唆する臨床徴候(例:大臼歯/切歯パターン、標準的な原因除去療法に反応しない)
グレードの修飾因子 リスクファクター(喫煙) 非喫煙者 喫煙者 1日10本未満 喫煙者 1日10本以上
リスクファクター(糖尿病) 血糖値正常
糖尿病の診断なし
HbA1c7.0%未満の糖尿病患者 HbA1c7.0%以上の糖尿病患者

<表の説明>

  • 骨吸収もしくはCALの経年変化:5年間でどれ程CALが深くなったかを見ています。
  • 骨吸収%/年齢:歯槽骨の喪失率(%)を年齢で割って出した数値です。この数値により、年齢に対してどれだけ骨が溶けているかの歯周病の進行スピードを判定します。
  • 症例の表現型:バイオフィルムの付着と組織破壊の程度を調べています。
  • リスクファクター:歯周病のリスクファクターとして代表的なものが糖尿病や喫煙です。糖尿病や喫煙の程度を調べることで歯周病のリスクを判断することができます。

◯歯周病の検査

初診や定期検診で歯周病の検査を受けたことがある方も多いでしょう。どんな検査をしてどんなことが分かるかを、こちらでは解説します。

◆歯肉の状態の検査

・歯周ポケットの深さ

・歯肉からの出血の有無

・歯肉の腫れや発赤の程度

歯肉の状態の検査は歯周病の進行度を判定する大事な指標になります。目視で歯肉の状態を確認してから、プローブという先の細い器具で、歯周ポケットの深さを測ったり、出血の有無を見ます。

◆歯の状態

・歯並び

・咬み合わせ

・被せ物や詰め物の状態

・むし歯の有無

・動揺していないか

歯の状態も歯周病のリスクを評価するうえで大切な指標になります。例えば、歯並びが悪く歯磨きがしにくい部位や、咬み合わせが悪く過度に力が局所的にかかっている部位は歯周病になりやすいです。また、歯周病が進行すると歯を支えている歯槽骨の吸収が起こって歯が動揺してくるので歯の動揺度も調べます。

◆レントゲン

・骨吸収の程度:水平に全体的に骨吸収が進んでいるか、限局的に垂直的に骨吸収が進んでいるか

レントゲンでは、歯を支えている骨吸収の程度を知ることができます。歯周病が進むと骨の吸収が進むので、レントゲンで骨の状態を知ることは必須と言えます。

◯まとめ

歯周病の進行度を判断するための指標は数多くあります。歯周病の初期、歯肉炎では歯肉の腫れや発赤、出血などの症状にとどまりますが、歯周病が進み歯周炎になると、歯周ポケットが深くなり、骨の吸収が進行します。歯周ポケットの深さを調べたり、レントゲンによるX線画像で骨吸収の程度を知ることで歯周病の程度を知ることができ、ステージやグレードに当てはめることで治療方針を立てることができます。定期検診で、歯周病の検査をしたときは、ぜひ自分の歯周病の程度がどれくらいか、興味を持って見てみてください。

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