口腔内スキャナーで歯科の治療が変わる?
2026年7月7日
◯目次
- ◯口腔内スキャナーとは
- ◯口腔内スキャナーの利点
- ◯口腔内スキャナーでまだ出来ないこと
- ◯まとめ
◯口腔内スキャナーとは
口腔内スキャナーという機器があることをご存知でしょうか?2024年から保険診療でも使用が認められており、導入している歯科医院も徐々に増え始めています。歯科治療では、詰め物や被せ物を作る際に型取りを行うことがよくあります。ピンク色や緑色の粘土のような材料を口の中に入れた経験がある方も多いのではないでしょうか?口腔内スキャナーはこの型取りの際に使用する機械です。
口腔内カメラとは違う?
口の中に入れる機械として似ているものに口腔内カメラがあります。これは今のお口の中の写真を撮影する機械です。口の中の状態は前歯であれば患者さんも比較的見えやすいですが、奥歯になると分かりにくくなります。
このため患者さんにとってはどのような状態なのか口頭で説明を受けてもイメージがつきにくいです。口腔内カメラを用いて撮影し、撮影した写真を見ながら説明することで、患者さんにも状態を理解してもらいやすくなります。
一方で口腔内スキャナーは用途が異なります。撮影機能もありますが、データを3次元化して詰め物や被せ物を作るために使用します。治療説明の際にも使用することはあるかもしれませんが、多くは型取りの代わりに使用するのです。
口腔内スキャナーを使用する時
口腔内スキャナーは型取りの際に使用します。従来使用していた粘土のような材料(印象材)を使用せずに、この機械を用いて型取りをします。主に詰め物や被せ物、インプラントの上部構造(人工歯)の製作時にも使用されます。
2024年からは保険の詰め物にも使用することが認められており、徐々に口腔内スキャナーを用いて型取りをする歯科医院も増えてきています。一般的に保険内で認められている範疇(光学印象加算)で使用する場合には、詰め物がCAD/CAMインレーと呼ばれる白い詰め物を作る時に使用します。
CAD/CAMインレーは保険内で使用できる白い詰め物で、レジンと呼ばれる樹脂にセラミックの粉を混ぜた材料を用いて作成します。銀歯と比べて歯の色に近い見た目に仕上げられる一方、強度はあまりありません。噛み合わせが強い方や歯ぎしりなどをする方などは、詰め物が取れたり壊れることが起こりやすいため不向きとなります。
◯口腔内スキャナーの利点
口腔内スキャナーがどういったものかを知った上で、どのような利点があるかを確認しましょう。主に患者さんと歯科医院側にその利点があります。どのような利点があるのかを確認し、受診する際の治療方法の一つとして知っておくと、その恩恵を受けられるかもしれません。治療時に使用したい場合には、主治医に使用可能かどうかを確認してみましょう。
口腔内スキャナーの利点 患者さんの視点
一般的に型取りを行う際には、粘土のような材料をお口の中に入れて数分待つことが多いと思います。このとき、人によっては苦しさを感じたり、嘔吐反射(オエッとなる反射)が起こったりすることがあります。
しかし、口腔内スキャナーを使用すると、その気持ち悪さや不快感が少ないと言われています。また、従来の型取り材を用いる方法よりも短時間で終えられる場合があります。結果として、患者さんの治療時の苦手な型取り時間を抑えられることにつながります。
保険適応されている使用方法は限られますが、今後は徐々にその範囲が広がるかもしれません。
口腔内スキャナーの利点 歯科医院の視点
虫歯治療において1つの治療の流れは、歯を削り、型を取った後に石膏を流して模型を作成します。口腔内スキャナー使用時には、お口の状態はパソコンのデータとして保存されます。したがって、型取りの材料や石膏の材料は不要となります。これにより材料の削減につながります。
また、従来の方法では、型取り材が変形したり、石膏を流し込む工程で模型がうまく作製できなかったり、破損したりするリスクを減らすことができます。加えて、模型を作成した後はその模型を破損してしまうリスクがなくなり、模型を保管しておく必要もなくなります。
口腔内スキャナーで型取りしたデータはパソコンなどに保存されるため、データとして保存・管理できるためです。
◯口腔内スキャナーでまだ出来ないこと
口腔内スキャナーは利点も多いですが、使用できない場面もあることを知っておきましょう。スキャナーで対応できる補綴物には限りがあります。例えば、被せ物が連結した長いブリッジや入れ歯の型取りは不向きです。
また、口腔内スキャナーを使用する際に残っている歯の本数が少ない場合や、被せ物の縁が歯茎の中に入り込んでしまうような詰め物や被せ物の設計になる場合には、正確に読み取れないことがあります。
使用できない場合には、従来通りの型取りを行うことも多いです。
◯まとめ
ここまで、口腔内スキャナーの特徴やメリットについてご紹介しました。使用する場面は主に型取りの時です。使用できる場合とできない場合があることは知っておきましょう。
口腔内スキャナーの使用は従来の型取りの方法とは異なり、患者さんにとって違和感が少ないといわれています。模型の破損リスクもなくなるため、模型の破損による再度の型取りや再来院の可能性も減らせます。
ただし、口腔内スキャナーは高額な機器のため、どの医院にも導入しているわけではありません。もし使用をしたい希望がある場合には、主治医にも相談してみましょう。

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