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この症状どうしたらいい?〜歯科医師が答えるQ&A〜

2024年9月9日

日々、臨床の現場にいると患者さんから多くの質問を受けます。あるいは、休日に友人と過ごしている場合でも、友人からお口の中の相談を受ける機会も多いです。非常に多くの方がお口の中の健康に関心を持っていると思うと嬉しく思います。確かに、歯科医療従事者からするといつも見ることでも、患者さんからすると、気掛かりなことであることですよね。よく、学生時代に「医師の日常は、患者の非日常」と教授や指導教官から指導されましたが、改めて、その言葉の真意を思い出させてくれます。
そこで今回は、皆さんからよく相談される内容のうち。口腔外科に関連する内容をQ&A形式でいくつかご紹介したいと思います。

目次

  • ① 親知らずって抜いたほうがいいの?
    •  ◆こんな症状があったら抜いたほうがいい
    •  ◆親知らずを抜歯する時の注意点
  • ② 顎がガクガクするのですけど?
    •  ◆「顎関節症」とは?
    •  ◆どのような症状があるか?
    •  ◆どうすればいいの?
  • ③ 口内炎がずっとできているのですが?
    •  ◆お口の中にできる「癌」
    •  ◆どんな症状がある?
    •  ◆今すぐ、歯科医医院へ!!
  • ④ まとめ

親知らずって抜いたほうがいいの?

口腔外科に関連する相談の中で、最も多いのがこの「親知らずを抜いたほうがいいか」という相談です。非常に多くの相談を受けます。
そもそも親知らずは、12歳ごろに生えてくる大人の歯である7番目の歯のさらに後ろから生えてくる歯です。大体18歳ごろに歯の頭が見えてきます。しかし、近年、若い女性を中心に、顎の骨が小さくなってきているため、親知らずが横から生えてくるために様々な問題が生じることがあります。

こんな症状があったら抜いたほうがいい

親知らずによって様々な症状が生じることがあります。一つの基準として次のような症状があった時には、親知らずの抜歯をすることをお勧めします。

  • ⒈ 歯茎が腫れて痛みが出たことがある
  • ⒉ 手前の歯が虫歯になってきている
  • ⒊ 横から生えてきている
  • ⒋ 手前の歯の周りの歯茎のポケットが深くなっている
  • ⒌ 物が詰まりやすく、お掃除が難しい
  • ⒍ 矯正治療をする予定

親知らずを抜歯する時の注意点

親知らずを抜歯する時には気を付けるべき偶発症があります。決して頻度は高いものではありませんが、患者さんが不快に思うことです。いざ抜歯した後にこのような症状があればすぐに相談しましょう。

  • ・舌や唇の周りがずっとしびれている/左右差がある
  • ・湧くような出血がある
  • ・熱が40℃近くあり、飲み込むときの痛みがある
  • ・1週間ほど経っても治らず、激痛がある

これらの症状があった場合、早期に治療を行った方が良い場合がほとんどです。ただちに抜歯を行った歯科医院または、夜間救急の歯科医院に連絡を入れるようにしましょう。

さて、皆さん共通の悩みの種の親知らず。自分でそうしたらいいかと考える一つの基準を紹介しました。ぜひ参考にしてみてください。

顎がガクガクするのですけど?

2つ目がこの相談です。若い女性を中心に、中高生でもこのような症状に悩んでいる方もいるのではないでしょうか。これらの症状が続いている場合、「顎関節症」が最も疑われます。

「顎関節症」とは?

顎関節症とは、様々な事が原因となり、顎関節やその周囲の疼痛や、動きにくくなる病気です。顎関節症そのものが原因となって死んでしまうというような悪い病気ではありません。しかし、しゃべる、食べるなどの日常生活で顎関節が動くたびに痛みが生じる事があり、患者さんの生活に悪影響を及ぼす病気です。

どのような症状があるか?

顎関節症で見られる、あるいは患者さんが訴える症状は代表的に次のようなものがあります。

  • ・口を開けにくい
  • ・痛くて大きく開けられない
  • ・口を開けたり閉めたりするときに「カクカク」や「パキパキ」といった音が鳴る

どうすればいいの?

顎関節症には様々な治療法が存在しますが、その治療ゴールは「セルフケアを中心とし、症状を軽くし、顎運動機能を回復させること」です。最も大切なことは、「痛みを可能な限り取り除く」ということです。そのために、マッサージやマウスピースなどの治療を行っていく事があります。

自身が顎関節症かな?と思ったら、ぜひ一度歯医者さんに相談してみてはいかがでしょうか?あなたにあった治療を提案してくれると思います。

口内炎がずっとできているのですが?

ほとんどの口内炎は約2週間もあれば、無くなっていきます。しかし、それ以上、口内炎のようなものがずっと続いている場合、「口腔癌」かもしれません。
意外と知られていませんが、お口の中にもがんはできます。他の内臓と同じように、放置していると最終的に最悪の状態になることもありえます。

お口の中にできる「癌」

お口の中にできるがんは舌、歯茎、頬っぺたなどあらゆるところに生じる事があります。中でも、舌と歯茎はお口の中にできるがんのうち、約8割を占めます。最終的には、死ぬこともある非常に恐ろしい病気です。なので、早期発見・早期治療が非常に重要になってきます。

どんな症状がある?

お口の中の癌でよくみられる症状には次のようなものがあります。

  • ・口内炎が長期間治りません
  • ・顎が痺れたり、舌が動かしにくくなった
  • ・お口の中に出来物ができて、そこから血が出やすい

今すぐ、歯科医医院へ!!

最初にも述べたように、がん治療は早期発見、早期治療が肝心です。先ほどのような症状がある場合はすぐに歯医者さんに相談しましょう。
また、お口の中は皆さん自身で確認する事ができます。一日1回、寝る前にご自身のお口の中をしっかりみて、出来物ができていないか?、口内炎がずっと残っていないか?といったことを確認するようにしましょう。なにか困ったことがあれば、遠慮なく、相談するようにしましょう。

まとめ

今回は、口腔外科医Q&Aと題して、よくある質問について答えていきました。中には、恐ろしい病気も取り上げましたが、皆さんのお口の中の健康に役立ててもらえれば嬉しいです。何よりも、日々の管理と、定期的な歯科受診を行うことが重要です。ぜひかかりつけ歯科医院をこれを機に持つようにしましょう。

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当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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