虫歯の症状別治療法のご紹介
2023年11月21日
虫歯の治療、歯医者さんではどんなことをしているの?
「冷たいものがしみる」
「どこかが痛い」など、
虫歯かな?
と思いながら歯医者さんに行くのが億劫になっていませんか?
「音が怖い」
「独特の臭いが子どもの頃を思い出して怖くなってしまう」など、
歯医者さんにいい思い出がある方は少ないはずです。
今までにも当院では、
虫歯に関して多くを発信させていただきましたが、
今回は、歯医者さんでどんな治療を行っているか
詳しく説明することで、
見えない治療内容を少しでも
安心して受けていただけるようにサポートしていきます。
◯虫歯の進行度と症状
虫歯は症状が出現する初期の初期でないと
もとに戻ることはありません。
症状が出た場合には、
一方的に進行している状態なので、
治療をして進行を抑制しなければなりません。
よくある症状と共に虫歯の進行度をみていきましょう。
◆歯が一部白くなっている
歯の一部が白くなったり、ザラザラする場合、
歯の表面の脱灰(だっかい)と
呼ばれる現象が生じている可能性があります。
砂糖が歯の表面に長く停滞していると、
砂糖をエサにする虫歯の原因菌が
集まって酸を出します。
虫歯菌によって出された酸によって、
歯が溶けた状態です。
初期の脱灰はC0(シーオー)と呼ばれ、
唾液の成分やフッ素の作用によって
再石灰化してもとに戻る可能性があります。
さらに進行して、
C1という状態になると
歯の表面のエナメル質が脱灰してしまい、
元に戻ることはなくなります。
このように、虫歯の進行は初期でないと元に戻ることが難しいのです。
◆歯が冷たいものにしみる
冷たい水が当たったとき、
うがいのときに痛くなって
「虫歯かも?」
と気づく方が多い時期です。
歯の表面のエナメル質の奥にある象牙質まで
虫歯が進行した状態です。
象牙質には、
歯の神経から管が伸びているので、
痛みを感じる感覚があります。
象牙質まで達した虫歯をC2と表現します。
◆歯が温かいものにしみる
食事の時に特に温かいものにしみると、
痛みがずーんと長く続くのが特徴です。
象牙質に通っている神経の中でも
温かいものを感じる神経まで
虫歯が進行した状態です。
象牙質虫歯を表すC2の中でも
後半の症状で、C3に移行する
可能性が高い状態です。
◆どこか分からないけど、常にズキズキ痛い
歯のさらに奥まで虫歯菌が
感染を起こすと歯髄炎(しずいえん)という状態になり、
上か下かと言われてもどこが痛いか分からなくなります。
歯の神経に炎症が起きているため、
あごの骨を通る神経全体が痛みを感じるようになるため、
あご全体が痛くなります。
左右は別の神経が通っているので、
例えば
「右側全体が痛い」
「左側全体が痛い」
といった状態になります。
神経自体が炎症を起こすと、
飲み薬の痛み止めも効きにくく大変辛い状態になります。
◆歯が欠けた
歯が痛い状態が1週間程度続くと、
あるときふと痛みが消えてきます。
歯医者さんに行くのをためらっている間に
痛みが消えるので
「痛みの峠を越えて治ったのかな?」
と勘違いしやすいですが、
虫歯が進行し始めると治ることはありません。
治ったのではなく、
歯の神経が死んでしまった状態です。
このまま放置すると、
どんどん歯の組織が腐っていき、
歯に栄養が行き渡らなくなるので、
歯がかけてきます。
歯が大きく欠けてしまうと、
治療することが出来ず抜歯を
しなければならないことがあります。
虫歯の進行度と治療方法
◆C0~C1の場合
初期の虫歯は、
正しい歯磨きとフッ素の使用によって、
再石灰化を期待することができます。
歯の変色があるからといって、
初期虫歯を削ってしまうと
歯が治る力を無視してしまうことに
なりますので、もったいないです。
◆C2の場合
虫歯が象牙質に達すると、
治ることはありませんので、
削って取る必要があります。
回転器具を使って虫歯を丁寧に取り除き、
歯科用の白いレジン性の詰め物をします。
レジン性の詰め物をする場合は、
1回で終わることがあります。
歯と歯の間に虫歯ができた場合には、
レジン性の詰め物だとお口の中で
綺麗に歯と歯の間の形を作れないため、
型を取ってインレーという部分の被せ物を
作製する必要があります。
型を取って、
被せ物を作製するので、
最低でも2回の通院が必要です。
C2の虫歯では、
神経の近くまで
虫歯が進行していることがあるので、
症状の経過を診ながら
次の処置へと進みますので、
1ヶ月程度時間がかかることがあります。
◆C3の場合
歯の神経まで虫歯が進行しているため、
抜髄(ばつずい)という神経を
取る処置が必要になります。
局所麻酔をして、
小さなドリルで
歯の神経の管のバイ菌を
取り除いていきます。
肉眼で見えない細かい作業のため、
精密な顕微鏡を使って行うこともあります。
神経を取った歯は弱いので
差し歯の処置が必要になります。
1ヶ月以上は治療に要する覚悟が必要でしょう。
<h3>◆C4の場合</h3>
歯の神経の感染を
取り除いて歯を残せそうな場合は、
C3 の歯と同様な処置を行います。
歯が欠けたり、
歯ぐきの中まで虫歯が
進行してしまうと抜歯の可能性も
考えなくてはなりません。
◯まとめ
虫歯は放置してしまうと
どんどん治療が複雑になり、
予後も悪くなってしまいます。
歯医者さんでの定期健診で虫歯を予防しましょう。