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入れ歯とは?(前編)

2024年2月18日

みなさんは入れ歯と聞いて、何を思い浮かべますでしょうか?

 

入れ歯と言えばおじいちゃん、おばあちゃんが付けてたような…

でも、ちゃんと見たことがない。

パカパカ外れちゃうのが入れ歯だよね?

口から飛び出してくるやつ…

 

そう、実は知っているようで知らないのが入れ歯なのです!

 

 

今回は、実際に使ってる人も、そうでない人も、これから入れ歯を考えている人にも

みんなにわかりやすく「入れ歯」について大解説します!

 

ぜひ、参考にしてみて下さいね!!

(長くなりましたので、前後半に分かれています!)

 

 

目次(前編)

1.入れ歯とは

 ◆保険診療の義歯

 ◆自由診療の義歯

2.入れ歯の種類、メリット・デメリット

 

「入れ歯」とは

皆さんが入れ歯と呼んでいるモノ、専門用語では「義歯(ぎし)」と呼びます。

義足や義眼、義手と同様に、失った歯の代わりを務めるものが「義歯」です。

 

また、部分入れ歯や総入れ歯と言われるものは、残っている歯があるかどうかで分別しています。

 

1本も歯が残っていない場合の義歯は「総義歯」や「フルデンチャー」、「全部床義歯」「コンプリートデンチャー」などと呼ばれます。

歯が1本でも残っている場合の義歯では「局部義歯」や「パーシャルデンチャー」、「局部床義歯」と呼ばれます。

 

「入れ歯」の種類

ここでは、「総義歯」「局部義歯」といった種類ではなく、保険診療や自由診療でどのような種類のものがあるか?ということについて説明したいと思います。

 

◆保険診療の義歯

保険診療の義歯は「レジン床義歯」と呼ばれる義歯のみとなります。

レジンとは、簡単に説明すると熱を加えて成型されるピンク色の樹脂を指します。

近年、ジェルネイルなどで多用されるレジンですが、そのレジンとは物性が少し違うもので、長時間熱を加えることで硬くなる性質を持っています。

硬めのプラスチックのような素材を想像してもらうとわかりやすいかもしれません。

噛む力に耐えられるような強度を補填するためには厚みを確保しなければならないため、装着時の違和感や異物感が気になるかもしれません。

また、プラスチックのため味覚や温度を感じづらいというデメリットがあります。

局部義歯の場合には、保険診療でのクラスプは金属のみが使用できます。人工歯はレジン歯や硬質レジン歯と呼ばれるものを使用することが多いです。

審美性(見た目の美しさ)を重要視したものや、装着感を重視した義歯を保険診療内で製作することはむずかしく、保険診療の義歯の最大のデメリットと言えるでしょう。

ただし、保険診療の義歯は修理が容易であり、また、費用も安価であることがメリットとして挙げられます。

義歯を使用するのが初めて、という方や、まだまだ他に治療する必要のある歯が残っている、などの場合には保険の義歯をお勧めします。

 

◆自由診療の義歯

自由診療の義歯は、保険診療の義歯と比較して、強度や審美性はもちろんのこと装着感などが改善されます。

自由診療の義歯と一言で表しても、様々な種類・個性的な名前がつけられたものが多くありますので、代表的な義歯について説明します。

 

 

▶︎金属床義歯

自由診療の義歯と言えばこれ!というくらい昔から作られてきた義歯です。

金属床義歯のメリットはなんといっても薄く出来ることです。

特に総義歯の方の場合、上あごを大きく覆う必要があるため、保険診療の義歯だと違和感を訴える方がとても多いです。

そのような違和感を改善するのがこの金属床です。

上あごや下あごの裏側を薄い金属で覆うことによって、違和感の軽減とともに金属ならではの熱伝導性を利用し、温度などを感じやすくすることによって食事を美味しく摂ることができます。

金属の種類は強度と製作方法を考慮して、コバルトクロム合金が用いられることが多いですが、金やチタン、金属とは少し材質はちがいますがジルコニア等を用いることもあります。使用する金属については、かかりつけの歯科医院で相談してみましょう。

金属床のデメリットですが、とても精密に作られているため、何か不具合が生じた場合の調整や修理をしにくいという点です。ただし、可能な限りそのような不具合を減らすため、義歯の製作過程で時間をかけてチェックしていきます。

また、稀ですが敏感な患者様の場合、「金属味」というものが気になる場合があります。例えて言うと、缶ビールをそのまま飲んだ時のような金属の味が気になる、という方がなかにはいらっしゃいます。缶とは金属の種類が違うため、一概には言えませんが、気になる場合にはかかりつけ歯科医院で相談をおすすめします。

 

▶︎ノンクラスプデンチャー

こちらは主に局部義歯の方の自由診療の義歯となります。

その名の通り、クラスプと呼ばれる金属の「ツメ」がついていないため、審美性に優れています。また、金属のクラスプのように取り外しによる緩みを生じにくいため、長期にわたって快適な装着感を得ることが出来ます。

多くの歯が欠損しているようなケースには不向きな場合がありますが、金属と組み合わせて強度を補強することも出来ますので一度歯科医師に相談してみると良いでしょう。

デメリットとしては、金属床と同じく修理がしにくいことです。ノンクラスプデンチャーに使用される素材は、修理用の材料と接着しない場合が多く、修理を行う場合には技工所に預ける必要があります。また、素材自体に素晴らしく強度があるわけではないので、この義歯自体を推奨していない歯科医院もあります。

また、この義歯では歯茎が覆われるため、重度の歯周病などがある方には向かない場合があります。

とはいえ、審美性にはとても優れた義歯のため、入れ歯の見た目に悩んでいる方は一度相談してみてはいかがでしょうか。

 

▶︎アタッチメントオーバーデンチャー

アタッチメントオーバーデンチャーとは、磁石やホック、インプラントの力を利用して維持をする義歯のことです。

何本か歯が残っているけれど、クラスプをかけると歯がダメになってしまうかも…

顎の骨がやせていて、どんなに義歯を調整しても動いてしまう、痛みが消えない

などのケースで用いることがあります。

残っている歯と義歯に磁石やホックを組み込んで、入れ歯が歯茎に食い込むことなく維持出来るようになります。

また、インプラントを用いたものはインプラントオーバーデンチャーと呼ばれます。歯茎に何本かインプラントを埋入し、そのインプラントを支えにして義歯を維持します。

最近では、磁石を用いたアタッチメントデンチャーが保険適用となりましたが、磁石やホックを組み込む義歯には強度が必要なため、金属を組み込んだ義歯を同時に作ることが望ましいです。

この義歯のデメリットは、磁石やホックを組み込む土台となる歯の神経の治療が必要となることです。また、インプラントの場合には、手術が必要となるため体への侵襲が大きく、持病がある場合や高齢の場合には治療を受けられないことがあります。

ただし、ご自身の歯を可能な限り残すことで顎の骨の吸収を食い止めることも可能ですし、インプラントが土台の場合には通常の義歯と比較して、しっかり噛むことができます。

 

▶︎コーヌステレスコープデンチャー

この義歯は最近ではあまり見かけなくなりましたが、審美性がいいこと、装着感がよく、よく噛めることから好んで希望される方もいます。

この義歯は自分の歯に被せる内冠(ないかん)とよばれるものと、義歯に組み込まれる外冠(がいかん)の摩擦力を利用して維持に用いるものを指します。

茶筒の原理を想像していただくとわかりやすいかもしれません。

多少の力では外れたり壊れたりすることがなく、自分の歯のような見た目と装着感が得られることが最大のメリットです。

ただし、製作が可能な歯科医師が限られていることや、自分の歯を削り神経の治療をする必要があること、かなり精密に作られているため修理が非常に困難であることなどのデメリットがあります。

 

▶︎コンフォートデンチャー

この義歯は最近多くの歯科医院で見られるようになりました。

入れ歯を入れていてもどうしても痛くて思うように噛めない、といった症状を改善する義歯です。

通常の義歯の裏側(歯茎側)にシリコーンのクッションを貼り付けることで、痛みなく、しっかり噛めるようになります。特に、義歯を装着し続けることで自分の歯茎の形状に馴染むため、歯茎が痩せてなかなか義歯が安定しない、という方にもお勧めです。

デメリットとしては、特殊なシリコーン材料を使用しているため、義歯洗浄剤は専用のものを取り寄せて使用する必要があるという点です。また、シリコーン材料は削りにくい素材のため、大幅な調整がむずかしくなります。

 

 

専門用語が多く、ここでお腹いっぱいという方もいらっしゃると思うので、今回はここまで!

 

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