予防により、結果的に虫歯や歯周病の治療よりも安く済む!?
2024年3月22日
予防の重要性を、聞きなれない切り口からお話していきます。
是非参考にして下さい。
◯目次
・虫歯、歯周病と予防
◆自宅での予防とは
◆歯科医院での予防とは
・予防の重要性
・海外の状況
・安く済みます
・予防のデメリット
・まとめ
◯虫歯、歯周病と予防
虫歯と歯周病は、ともに口内の細菌が原因で起こる病気です。虫歯は歯そのものに穴が開く病気です。歯周病は歯肉や骨に炎症を起こす病気で、虫歯の原因菌とは別の種類の細菌が原因です。
虫歯や歯周病を予防するためには、以下の3つの対策が重要です。
①プラークを取り除き、虫歯、歯周病の原因菌を少なくする事。
プラークは歯垢とも呼ばれ、細菌や食べかすなどが歯の表面に付着したものです。プラーク中の細菌が糖分を分解して酸を作り、歯を溶かしたり、歯周病を引き起こしたりします。プラークを取り除くためには、毎日のブラッシングが基本です。
②砂糖を含む食品の摂取頻度を制限する事。
砂糖の糖分は虫歯菌の餌になる為、摂りすぎると虫歯のリスクが高まります。特に食後や間食時に甘いものを食べると、口内の酸性度が上昇し、虫歯が進行し易くなります。
糖分を摂る回数を減らすためには、食事や間食の時間を決めて守ることが大切です。また、甘いものを食べた後はすぐに水を飲んだり、ガムを噛んだりして口内を中和させることも効果的です。
③再石灰化を促し、歯の質を強くする事。
再石灰化とは、酸によって溶け出したミネラル成分が再び歯に戻る現象です。再石灰化が促進されると、歯質が強化されて虫歯に対する抵抗力が高まります。
再石灰化を促すためには、フッ化物応用やシーラントなどが有効です。フッ化物は歯の表面に塗布することで、歯質を強くする効果があります。シーラントは歯の溝に樹脂を流し込むことで、プラークや細菌の侵入を防ぐ効果があります。
◆自宅での予防とは
歯科での予防とは、歯科医師や歯科衛生士からのアドバイスをもとに自分で行うセルフケアと、歯科医院で行うプロケアの両方を指します。
自宅での予防、自宅でのセルフケアには、以下のような方法があります。
①歯磨き:食後30分以内に行います。歯の表面や、歯と歯茎の隙間を丁寧に磨きます。力を入れすぎないように注意します。舌専用ブラシや口腔洗浄液なども効果的です。
②食事・生活習慣:栄養バランスのよい食事で免疫力を高めます。間食は控えるか、食べた後は水を飲んだりガムを噛んだりして口内を中和させます。喫煙は避けます。
③噛み合わせ:うつぶせ寝や頬杖などのクセは、歯並びを乱す原因になります。夜間の歯ぎしりや日中の食いしばりにも注意しましょう。
◆歯科医院での予防とは
歯科医院での予防、歯科医院でのプロケアには、以下のような処置があります。
①検査・診断:レントゲンや唾液検査などで、口内の状態をチェックします。虫歯や歯周病の有無や進行度、口内細菌数などを確認します。
②スケーリング:スケーラーという器具を使って、歯石を除去します。歯石は歯周病の原因となるため、定期的に取り除くことが大切です。
③PMTC:回転式のブラシやラバーカップなどの器具と、フッ化物入り研磨剤や吸着剤を使って、歯の表面を磨き上げます。歯垢や着色汚れを取り除きます。
④フッ素塗布:歯の表面に高濃度のフッ素を塗布します。フッ素には、再石灰化の促進・歯質強化・菌の酸生産抑制などの効果があります。
⑤シーラント:奥歯の溝や歯の側面・裏面などをフッ素入りのレジンで塞いで、歯垢がたまりにくくします。虫歯予防に有効です。
定期的に検診を受けてプロケアを受けることと、毎日のセルフケアを怠らないことが、歯の健康を保つために重要です。歯科医師や歯科衛生士からのアドバイスを参考にして、自分に合った予防法を見つけましょう。
◯予防の重要性
歯科での予防の重要性は、以下のような点にあります。
①歯の健康を維持する
歯は一度失うと二度と元には戻りません。自分の歯を多く残すことで、咀嚼能力や発音能力を保ち、食事や会話を楽しむことができます。予防に定期的に通うことで、虫歯や歯周病の早期発見・早期治療が可能になり、歯を削る量や抜く本数を減らすことができます。予防では、歯石除去やPMTCなどの処置によって、歯垢や着色汚れを除去し、歯の美しさや清潔さを保つことができます。
②全身の健康を維持する
歯や口腔の健康は全身の健康にも影響します。虫歯や歯周病は口腔内だけでなく、心臓病や糖尿病などの全身性疾患の発症や悪化にも関係しています。
歯周病の原因菌は血液に入り込んで動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めます。また、誤嚥性肺炎や認知症とも関連しています。予防では、口腔内細菌数を減らし、免疫力を高めることで、全身の健康を守ることができます。
◯海外の状況
海外では、歯科の予防への意識や実践はどのような状況なのでしょうか。ここでは、日本と比較して予防歯科が先進的とされるアメリカとドイツについて紹介します。
アメリカでは、歯科医院で定期的に検診やクリーニングを受けることが一般的です。ある調査では、直近一年間に歯の健康診断を目的として歯科医を受診した回数を聞いたところ、アメリカでは「2回」と回答した人が最も多く、日本では「直近一年間では受けていない」と回答した人が最も多いという結果でした。
ドイツでは、保険制度があり、保険者は半年毎に無料で検診を受けることができます。検診では、虫歯や歯周病だけでなく、口腔がんや咬合異常などもチェックされます。また、保険者は3年間連続して検診を受けると、治療費用の自己負担率が減額される制度があります。このように、ドイツでは予防歯科が国策として推進されています。
海外の状況をお話しました。日本でも予防歯科への関心は高まってきていますが、改善の余地があると言えるでしょう。自分の歯を大切にするためにも、定期的に検診を受けてプロケアを受けることと、毎日のセルフケアを怠らないことが重要です。
◯予防のメリット
予防歯科の経済的なメリットは、以下のような点にあります。
①治療費や時間の節約
予防歯科に定期的に通うことで、虫歯や歯周病の早期発見・早期治療が可能になり、歯を削る量や抜く本数を減らすことができます。
虫歯や歯周病は放置すると重篤化し、治療費や時間がかかります。また、入れ歯やインプラントなどの補綴物も高額です。
予防歯科では、定期的な検診や処置によって、虫歯や歯周病の発生・進行を抑えることができます。これにより、治療費や時間の節約になります。
②全身性疾患の予防
歯や口腔の健康は全身の健康にも影響します。虫歯や歯周病は口腔内だけでなく、心臓病や糖尿病などの全身性疾患の発症や悪化にも関係しています。歯周病菌は血液に入り込んで動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めます。また、誤嚥性肺炎や認知症とも関連しています。予防歯科では、口腔内細菌数を減らし、免疫力を高めることで、全身の健康を守ることができます。これにより、将来的な医療費の負担も軽減することができます。
③生活の質の向上
歯は一度失うと二度と元には戻りません。自分の歯を多く残すことで、咀嚼能力や発音能力を保ち、食事や会話を楽しむことができます。歯が健康であれば、自信を持って笑顔になることができます。また、口臭や口内感染も防ぐことができます。歯石除去やPMTCによって、歯垢や着色汚れを除去し、歯の美しさや清潔さを保つことができます。
◯予防のデメリット
しかし、歯科での予防にはデメリットもあります。
費用や時間がかかる事です。歯科での予防には定期的に歯科医院に通う必要があります。
検診や処置には費用が発生するため、経済的な負担になる可能性があります。
また、歯科医院に通うためには時間や交通費もかかります。
仕事や家事などで忙しい方にとっては、通院することが難しい場合もあるでしょう。
◯まとめ
定期的に検診を受けてプロケアを受けることと、毎日のセルフケアを怠らないことが、生涯にわたる歯の健康を保つために重要です。快適な毎日を送れるよう今回書かせて頂きました。