キービジュアル

現代人に歯列不正が多いのはなぜ??

2024年2月28日

歯並びが悪い、というと、真っ先に思い浮かべるのが、歯がガタガタに並んでいる状態ではないでしょうか。

この、歯並びがガタガタになってしまう歯列不正のことを叢生(そうせい)といいます。

現代の日本人には、この叢生(そうせい)という歯列不正が増加してきているのです。

 

今回は、この歯がガタガタに並んでしまう歯列不正が現代人に多い理由について、お話していきましょう。

 

目次

1. 歯並びがガタガタになってしまう原因

2. なぜ、現代人は顎が小さくなってしまったのか

3. 顎が小さくなることのデメリットとは

4. 下顎の成長を促すには

5. まとめ

 

1. 歯並びがガタガタになってしまう原因

歯並びがガタガタになってしまう原因は、大きく分けて2つ考えられます。

1つは、顎の大きさに対して、歯の大きさが大きいこと。

 

もう1つは、歯の大きさに対して、顎の大きさが小さいことです。

40年前のデータと比較すると、歯1本1本のサイズは少し大きくなっています。

 

それに対して、顎の大きさは、前後的な奥行きは大きくなっているものの、歯列の幅は大きくなっていません。

 

つまり、ほっそりとした、顎が細い顔貌が増えて、顎の幅がしっかりとした、いわゆるえらが張っているような顔貌が減少していることになります。

そして、この顎が細い顔貌の原因ともいえる、歯列の幅が大きくならずに前後的なアーチが長い骨格によって、出っ歯や、歯並びがガタガタになりやすくなっているのです。

 

2. なぜ、顎が小さくなってしまったのか

では、なぜ現代人の顎は細長く、小さくなってしまったのでしょうか。

 

それは、現代人の食生活にあると考えられています。

歯の大きさや本数は、環境要因にはあまり左右されず、遺伝的なものによって決定されやすいと言われています。

 

それに対して、顎の大きさは、遺伝的なものに加えて、周囲の筋肉から受ける刺激に影響を受けて、成長度合いが決定すると言われています。

江戸時代以前は、日本人は日常的に固いものを食べていました。

 

そのため、顎の筋肉が発達し、それによって顎の骨の幅や厚みが増加し、いわゆるエラが張った顔貌になりやすかったのです。

しかし、江戸時代以降の日本人は、固いものをあまり食べなくなってきました。

 

それによって、顎骨に加わる筋肉からの刺激も少なくなり、その結果として、顎骨の横幅の成長が促進されずに、全体的にほっそりとした顔貌となってきているのです。

 

3. 顎が小さくなることのデメリットとは

「小顔のほうが良い!」

 

そう思っていませんか?

 

しかし、筋肉量による影響を受けるのは、下の顎だけで、固いものを咬まないからと言って、顔全体が小さくなるわけではありません。

下の顎の幅が小さくなることは、むしろデメリットのほうが大きいのです。

 

小さな鉛筆立てに、沢山の鉛筆を入れるところを想像してみましょう。

きれいに納まりきらずに、グチャグチャな方向にはみ出るようになってしまいますね。

 

お口の中も同じです。

小さな顎には、全ての歯がきれいに並ぶことができません。

 

あとから生えてくる歯は、空いているスペースに周囲の歯を押しのけて無理やり生えてくるので、ねじれてしまったり、出っ歯になったり、頬側や舌側にはみ出した形で並んでしまうのです。

ガタガタに生えてしまうと、上下でしっかり咬みあわなくなります。

 

食べ物を咬むことができる面積が、少なくなってしまいますね。

また、歯並びがガタガタになればなるほど、歯磨きが難しくなります。

 

それによって、虫歯のリスクが上がるだけでなく、歯周病のリスクも高くなるのです。

また、前歯の角度やねじれ具合によってすき間が出来てしまうと、そこから息が漏れてしまい、発音にも悪影響を及ぼす恐れもあるのです。

 

4. 下顎の成長を促すには

下顎の成長を促すためには、子供の頃からしっかりと噛んで食べる習慣をつけることが大切です。

極端に固いものを食べる必要はありません。

 

普段の食事を、よく咬んで食べるようにしましょう。

 

根菜類など、噛み応えのあるものをメニューに加えるのも効果的ですね。

よく咬んで食べることによって、素材本来の味を感じやすくなるので、薄味でも充分に満足できるようになるというメリットもあります。

 

5. まとめ

歯並びがガタガタになってしまう原因とは、顎の大きさと歯の大きさとの不調和によります。

 

特に、現代人は固いものを食べる習慣に乏しいため、顎骨が発達しにくく、顎が小さい傾向にあります。

下顎の成長を促すためには、子供の頃からしっかりと噛んで食べる習慣をつけることが大切です。

 

しかし、それでも遺伝的要因が強く出ることなどによって、歯並びが悪くなってしまうこともあります。

歯並びは、見た目の問題に加えて、食べ物を噛む力が弱くなってしまったり、発音に影響が出たり、虫歯や歯周病のリスクを高めてしまったりと、様々なデメリットを生み出します。

 

歯並びで気になることがございましたら、お気軽に当院にご相談ください。

 

初診「個別」相談へのご案内

当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。

このページの先頭に戻る