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入れ歯とは?(後編)

2024年2月22日

みなさんは入れ歯と聞いて、何を思い浮かべますでしょうか?

 

実は知ってそうで知らない「入れ歯」!

前編では、そもそも入れ歯とは何か?やどんな種類があるのかをご紹介しました!

 

(まだ見ていない方は▶︎こちらから)

 

後半では、そもそも入れ歯は何からできているのかや特殊な入れ歯などについてご紹介します!!

ぜひ、参考にしてみて下さいね!!

 

 

目次(後編)

3.入れ歯は何から出来ている?

 ◆「床」とは?

 ◆「人工歯」とは?

 ◆「クラスプ、バー」とは?

4.特殊な義歯

 ◆顎義歯・顎補綴(がくぎし・がくほてつ)

 ◆舌接触補助床(ぜつせっしょくほじょしょう)・PAP

 ◆スピーチエイド・パラタルリフト

5.まとめ

 

「入れ歯」は何から出来ている?

ここまで種類やメリットデメリットをご説明させていただきましたが

次に、そもそも入れ歯は何からできているかご紹介します!

 

入れ歯は床(しょう)と言われるものと人工歯(じんこうし)からなります。

局部義歯では更にクラスプと呼ばれる金具やバーと呼ばれる連結装置などが付属します。

 

◆「床」とは?

床とは義歯の土台となる部分です。入れ歯と言えばピンクのものを思い浮かべると思いますが、そのピンクの部分を床と言います。

なるべく自分の歯茎の色と違和感のない色で仕上げます。高齢の方や男性の方は少し暗めの色、女性や若い方の場合には繊維質の入った明るい色、というような感じです。

 

◆「人工歯」とは?

人工歯とは、その名のとおり人工の歯です。ピンクの床の上に人工歯を並べることで義歯で噛めるようになります。

人工歯と言っても種類がたくさんあり、患者さん個人個人の噛み合わせや噛み癖、顔の形や性別といった条件に合う人工歯を選択し、並べていきます。

材質も様々で、レジン歯と呼ばれる樹脂の材料を用いたものや、陶歯というセラミックのもの、金属からできたものまであります。

 

◆「クラスプ、バー」とは?

クラスプとは部分入れ歯にのみ付属するもので、入れ歯を固定するための「ツメ」のようなものです。バーは上あごや、下あごの離れた部分に入れ歯がまたがるような歯の欠損がある場合、橋渡しをする役目です。

クラスプやバーは保険診療か自由診療かによって形状が変わるとともに、残っている歯に可能な限り余計な負担をかけず、なおかつ、しっかり入れ歯が維持できるように歯科医師が設計します。

クラスプの種類によっては、一部歯を削る必要がある場合もあります。

 

特殊な義歯

ここまでは通常の義歯の種類やメリット・デメリットを紹介しました。

最後に、特殊な義歯についてご説明します。

 

特殊な義歯というのは、殆ど目にしたことがないと思います。

しかし、口腔癌などで通常の義歯を装着できなくなった患者さんは、そのような患者さん用の義歯があるのです。

 

◆顎義歯・顎補綴(がくぎし・がくほてつ)

歯肉にできる癌や咽頭の近くにできた癌を治療すると、上あごの骨や下あごの骨を切除するため、大きな穴が開き鼻と口がつながってしまうことや、あごの骨がえぐれてなくなってしまうことがあります。

そういった場合に、顎義歯とよばれる特殊な義歯で穴を塞ぎ、通常通りの食事を摂れるようにします。多くの場合は大学病院で製作しますが、一般の歯科医院でも製作出来る場合もありますので、かかりつけ歯科医院で相談してみましょう。

 

◆舌接触補助床(ぜつせっしょくほじょしょう)・PAP

舌接触補助床とは舌癌で舌の切除により動きが悪くなり、呑み込みがうまく出来ない、発音が出来ず、相手に言葉が伝わらないという方に装着する義歯です。

顎義歯と同じく、大学病院で製作されることが多い義歯ですが、一般歯科医院でも製作できることもあります。

 

◆スピーチエイド・パラタルリフト

これは主に唇顎口蓋裂の後遺症である、構音障害(こうおんしょうがい)に対して用いられる義歯です。唇顎口蓋裂のかたは咽頭(いんとう)の筋肉が動かず、うまく発音できないことがあります。その咽頭の筋肉の動きを補うための義歯です。一般歯科医院でも製作できる場合があります。

 

まとめ

知っているようで知らない入れ歯の世界…

いかがでしたでしょうか?

入れ歯は全てオーダーメイドです。

一人ひとり違う口の中、同じ入れ歯は世界に一つとしてありません。

24時間365日共に過ごす(かもしれない)入れ歯、やはり自分に合ったもの、ストレスなく使用できるものが良いですよね。

最後になりますが、入れ歯は生活するための「道具」です。

道具には定期的なメンテナンスが必要です。

かならず、自分の歯と同じく、かかりつけ歯科医院で定期的なメンテナンスを受けましょう。

入れ歯とは?(前編)

2024年2月18日

みなさんは入れ歯と聞いて、何を思い浮かべますでしょうか?

 

入れ歯と言えばおじいちゃん、おばあちゃんが付けてたような…

でも、ちゃんと見たことがない。

パカパカ外れちゃうのが入れ歯だよね?

口から飛び出してくるやつ…

 

そう、実は知っているようで知らないのが入れ歯なのです!

 

 

今回は、実際に使ってる人も、そうでない人も、これから入れ歯を考えている人にも

みんなにわかりやすく「入れ歯」について大解説します!

 

ぜひ、参考にしてみて下さいね!!

(長くなりましたので、前後半に分かれています!)

 

 

目次(前編)

1.入れ歯とは

 ◆保険診療の義歯

 ◆自由診療の義歯

2.入れ歯の種類、メリット・デメリット

 

「入れ歯」とは

皆さんが入れ歯と呼んでいるモノ、専門用語では「義歯(ぎし)」と呼びます。

義足や義眼、義手と同様に、失った歯の代わりを務めるものが「義歯」です。

 

また、部分入れ歯や総入れ歯と言われるものは、残っている歯があるかどうかで分別しています。

 

1本も歯が残っていない場合の義歯は「総義歯」や「フルデンチャー」、「全部床義歯」「コンプリートデンチャー」などと呼ばれます。

歯が1本でも残っている場合の義歯では「局部義歯」や「パーシャルデンチャー」、「局部床義歯」と呼ばれます。

 

「入れ歯」の種類

ここでは、「総義歯」「局部義歯」といった種類ではなく、保険診療や自由診療でどのような種類のものがあるか?ということについて説明したいと思います。

 

◆保険診療の義歯

保険診療の義歯は「レジン床義歯」と呼ばれる義歯のみとなります。

レジンとは、簡単に説明すると熱を加えて成型されるピンク色の樹脂を指します。

近年、ジェルネイルなどで多用されるレジンですが、そのレジンとは物性が少し違うもので、長時間熱を加えることで硬くなる性質を持っています。

硬めのプラスチックのような素材を想像してもらうとわかりやすいかもしれません。

噛む力に耐えられるような強度を補填するためには厚みを確保しなければならないため、装着時の違和感や異物感が気になるかもしれません。

また、プラスチックのため味覚や温度を感じづらいというデメリットがあります。

局部義歯の場合には、保険診療でのクラスプは金属のみが使用できます。人工歯はレジン歯や硬質レジン歯と呼ばれるものを使用することが多いです。

審美性(見た目の美しさ)を重要視したものや、装着感を重視した義歯を保険診療内で製作することはむずかしく、保険診療の義歯の最大のデメリットと言えるでしょう。

ただし、保険診療の義歯は修理が容易であり、また、費用も安価であることがメリットとして挙げられます。

義歯を使用するのが初めて、という方や、まだまだ他に治療する必要のある歯が残っている、などの場合には保険の義歯をお勧めします。

 

◆自由診療の義歯

自由診療の義歯は、保険診療の義歯と比較して、強度や審美性はもちろんのこと装着感などが改善されます。

自由診療の義歯と一言で表しても、様々な種類・個性的な名前がつけられたものが多くありますので、代表的な義歯について説明します。

 

 

▶︎金属床義歯

自由診療の義歯と言えばこれ!というくらい昔から作られてきた義歯です。

金属床義歯のメリットはなんといっても薄く出来ることです。

特に総義歯の方の場合、上あごを大きく覆う必要があるため、保険診療の義歯だと違和感を訴える方がとても多いです。

そのような違和感を改善するのがこの金属床です。

上あごや下あごの裏側を薄い金属で覆うことによって、違和感の軽減とともに金属ならではの熱伝導性を利用し、温度などを感じやすくすることによって食事を美味しく摂ることができます。

金属の種類は強度と製作方法を考慮して、コバルトクロム合金が用いられることが多いですが、金やチタン、金属とは少し材質はちがいますがジルコニア等を用いることもあります。使用する金属については、かかりつけの歯科医院で相談してみましょう。

金属床のデメリットですが、とても精密に作られているため、何か不具合が生じた場合の調整や修理をしにくいという点です。ただし、可能な限りそのような不具合を減らすため、義歯の製作過程で時間をかけてチェックしていきます。

また、稀ですが敏感な患者様の場合、「金属味」というものが気になる場合があります。例えて言うと、缶ビールをそのまま飲んだ時のような金属の味が気になる、という方がなかにはいらっしゃいます。缶とは金属の種類が違うため、一概には言えませんが、気になる場合にはかかりつけ歯科医院で相談をおすすめします。

 

▶︎ノンクラスプデンチャー

こちらは主に局部義歯の方の自由診療の義歯となります。

その名の通り、クラスプと呼ばれる金属の「ツメ」がついていないため、審美性に優れています。また、金属のクラスプのように取り外しによる緩みを生じにくいため、長期にわたって快適な装着感を得ることが出来ます。

多くの歯が欠損しているようなケースには不向きな場合がありますが、金属と組み合わせて強度を補強することも出来ますので一度歯科医師に相談してみると良いでしょう。

デメリットとしては、金属床と同じく修理がしにくいことです。ノンクラスプデンチャーに使用される素材は、修理用の材料と接着しない場合が多く、修理を行う場合には技工所に預ける必要があります。また、素材自体に素晴らしく強度があるわけではないので、この義歯自体を推奨していない歯科医院もあります。

また、この義歯では歯茎が覆われるため、重度の歯周病などがある方には向かない場合があります。

とはいえ、審美性にはとても優れた義歯のため、入れ歯の見た目に悩んでいる方は一度相談してみてはいかがでしょうか。

 

▶︎アタッチメントオーバーデンチャー

アタッチメントオーバーデンチャーとは、磁石やホック、インプラントの力を利用して維持をする義歯のことです。

何本か歯が残っているけれど、クラスプをかけると歯がダメになってしまうかも…

顎の骨がやせていて、どんなに義歯を調整しても動いてしまう、痛みが消えない

などのケースで用いることがあります。

残っている歯と義歯に磁石やホックを組み込んで、入れ歯が歯茎に食い込むことなく維持出来るようになります。

また、インプラントを用いたものはインプラントオーバーデンチャーと呼ばれます。歯茎に何本かインプラントを埋入し、そのインプラントを支えにして義歯を維持します。

最近では、磁石を用いたアタッチメントデンチャーが保険適用となりましたが、磁石やホックを組み込む義歯には強度が必要なため、金属を組み込んだ義歯を同時に作ることが望ましいです。

この義歯のデメリットは、磁石やホックを組み込む土台となる歯の神経の治療が必要となることです。また、インプラントの場合には、手術が必要となるため体への侵襲が大きく、持病がある場合や高齢の場合には治療を受けられないことがあります。

ただし、ご自身の歯を可能な限り残すことで顎の骨の吸収を食い止めることも可能ですし、インプラントが土台の場合には通常の義歯と比較して、しっかり噛むことができます。

 

▶︎コーヌステレスコープデンチャー

この義歯は最近ではあまり見かけなくなりましたが、審美性がいいこと、装着感がよく、よく噛めることから好んで希望される方もいます。

この義歯は自分の歯に被せる内冠(ないかん)とよばれるものと、義歯に組み込まれる外冠(がいかん)の摩擦力を利用して維持に用いるものを指します。

茶筒の原理を想像していただくとわかりやすいかもしれません。

多少の力では外れたり壊れたりすることがなく、自分の歯のような見た目と装着感が得られることが最大のメリットです。

ただし、製作が可能な歯科医師が限られていることや、自分の歯を削り神経の治療をする必要があること、かなり精密に作られているため修理が非常に困難であることなどのデメリットがあります。

 

▶︎コンフォートデンチャー

この義歯は最近多くの歯科医院で見られるようになりました。

入れ歯を入れていてもどうしても痛くて思うように噛めない、といった症状を改善する義歯です。

通常の義歯の裏側(歯茎側)にシリコーンのクッションを貼り付けることで、痛みなく、しっかり噛めるようになります。特に、義歯を装着し続けることで自分の歯茎の形状に馴染むため、歯茎が痩せてなかなか義歯が安定しない、という方にもお勧めです。

デメリットとしては、特殊なシリコーン材料を使用しているため、義歯洗浄剤は専用のものを取り寄せて使用する必要があるという点です。また、シリコーン材料は削りにくい素材のため、大幅な調整がむずかしくなります。

 

 

専門用語が多く、ここでお腹いっぱいという方もいらっしゃると思うので、今回はここまで!

 

後半は▶︎こちらから

歯が痛いときの対応

2024年2月8日

 歯が痛いけれども、歯医者に行けない! そんな時どうする?

 

急に歯の痛みを感じたとき。

深夜だったり、旅行中だったり・・・すぐに歯医者さんに行けないこともありますね。

「そんなとき、どうしよう??」

 

ここでは、歯が痛いけれども、歯科を受診できないときはどうしたら良いかについて、お話していきましょう。

 

 

目次

歯が痛いけれども、歯医者に行けないときは・・・

1. 痛み止めを服用する

2. 痛みのある部位を安静にする

3. 冷たいものを避ける

4. 温かいものを避ける

5. 優しく冷やす

5. お口の中を清潔に保つ

6. 栄養・睡眠をしっかり取る

7. 出来るだけ早めに歯科を受診する

8. まとめ

 

 1. 痛み止めを服用する

以前に歯科医院で処方された痛み止めがあるようでしたら、そちらを服用しましょう。

なければ、市販の痛み止めでも効果を発揮します。

用法・用量や、服用の間隔などを守って服用するよう、注意します。

 

痛み止めは、服用後すぐに痛みがなくなるものではなく、効果が出るまでは少し時間がかかることも、覚えておくと良いでしょう。

また、進行した虫歯の痛みは、痛み止めが効きにくいことがあります。

 

 

 2. 痛みのある部位を安静にする

痛みがある歯やその周囲組織を、出来るだけ安静にしましょう。

とはいっても、呼吸をしたり、水分を摂取したり・・・お口は、安静にすることが難しい部位ですね。

痛みのある部位では、出来るだけ食べ物を咬まないように気を付けましょう。

また、痛みのストレスによって、無意識に「くいしばり」をしてしまうこともあります。

くいしばりは、歯および周囲組織に大きな負担をかけます。

リラックスした状態では、上下の歯は互いに接触せず、2〜3㎜すき間が空いているのが普通です。

御自身の上下の歯が当たっていないか、確認してみましょう。

上下の歯同士が当たっている、しっかり咬んでしまっている場合は、少しすき間を開けるようにします。

その際、唇は閉じているほうが良いでしょう。

 

鈍い痛みの場合は、何となく気になってしまい、舌で触ってみたり、頬側から指でグリグリ押してみたり・・・と、無意識に痛みがあることを確認してしまうことがよくあります。

その刺激が、痛みを悪化させることもあるのです。

痛みのある場所は、出来るだけ安静にして、舌や指で触らないようにしましょう。

 

3. 冷たいものを避ける

痛みを誘うような刺激は、出来るだけ避けるようにしていきます。

冷たい飲み物や食べ物で痛みを感じる場合は、冷たい飲み物・食べ物を避けるようにしましょう。

帰宅時や歯磨き後のうがいも、ぬるま湯で行うと良いですね。

水道水の温水で十分です。

 

4. 温かいもの、温めることを避ける

温かい飲み物や食べ物で痛みが出る場合は、温かい飲み物・食べ物を避けるようにしましょう。

また、そのような場合は、血の巡りが良くなるような、体温が上がる行為は避けましょう。

具体的には、

激しく体を動かすような運動

湯船に長く浸かる

飲酒

などです。

 

5. 優しく冷やす

痛みがある部位を冷やしてあげることで、痛みが和らぐことがあります。

濡らしたタオルなどで、頬側から軽く冷やしてあげるようにしましょう。

この際、冷やしすぎないように注意しましょう。

あまり冷やしすぎてしまうと、血行障害を起こしてしまうことがあります。

保冷剤などを使用する場合は、タオルなどでしっかりくるむようにします。

抜歯など、血が出るような処置をした時や、内出血がある場合に冷やしすぎてしまうと、あとから青あざのようになることがあるので、特に気を付けましょう。

 

6. お口の中を清潔に保つ

痛みの原因は様々ですが、お口の中の細菌数が少ないほうが治りは良くなります。

出来るだけ、しっかりと歯磨きを行うようにしましょう。

歯ブラシを当てると痛みがある場合は、痛みが出ない範囲をしっかりと清潔にするようにして、お口の中全体の細菌数を少なく保ちます。

出来るだけ、フロスや歯間ブラシも併用していきます。

 

歯肉が腫れているときなどは、歯間ブラシを通すと出血することも多くあります。

痛みが伴うようであれば、無理して通す必要はありません。

しかし、「痛みはないが出血する」という場合は、歯肉を傷つけない程度に歯間ブラシを優しく動かして、内部に溜まっている血を外に出していくようにしましょう。

 

注意点もあります。

詰め物がとれた、歯の表面に穴があいている、といった場合は、どこまで清掃するべきでしょうか。

答えは「歯ブラシが届く範囲まで」です。

「穴の中に食べ物や汚れが詰まっている気がする・・・」

と感じても、穴の内部を爪楊枝などで触ってはいけません。

先端の尖ったものを入れることによって、内部の組織を破壊してしまう恐れがあります。

それどころか、周囲の細菌や汚れを、意図せず穴の中に押し込んでしまうことになる可能性も高いのです。

歯ブラシなどの清掃用具で届く範囲を磨くことで充分です。

 

7. 栄養・睡眠をしっかりとる

痛みがあるということは、身体が不調を訴えている合図になります。

充分な栄養および睡眠をとることで、身体を整え、免疫力を向上していくことも大切です。

食事は、歯への負担を軽くするために、あまり咬まなくても食べられるものが良いでしょう。

おかゆや、柔らかいおうどん、メニューを選択できない場合は、小さく切り分けてから口に入れるようにするだけでも、口を動かす必要が少なくなり、食べやすくなります。

 

8. 出来るだけ早めに歯科を受診する

虫歯の場合は、放っておいても治ることはありません。

状態や痛みの段階によって、一時的に痛みや腫れがおさまることもあるでしょう。

しかし、原因を取り除かないと、再び痛みに襲われる可能性が高くなります。

休日急患診療所を受診するという方法もありますが、基本的には応急処置のみになります。

出来るだけ早めに、歯科を受診するようにしましょう。

 

9. まとめ </h2>

歯に痛みを感じるが、直ぐに歯科を受診出来ないときは・・・

痛み止めを服用する。(処方薬・市販薬どちらでも可)

痛みのある部位を安静にする、舌や指で刺激しない。

冷たいものを避け、うがいはぬるま湯で行う。

血行が良くなるような運動・長風呂・飲酒は避ける

水でぬらしたタオルを頬側から当てるなど、優しく冷やす。

お口の中を清潔に保つ。痛みが出ない範囲での口腔内清掃の徹底を。

栄養・睡眠をしっかりとり、身体を整え、免疫力を上げる。

出来るだけ早くに歯科を受診する。

 

 

歯に痛みを感じた時、御自身で出来る対処法について、お話しました。

一番良いのは、早めに歯科を受診していただくことです。

痛みが落ち着いたとしても、後日診察を受け、痛みの原因が何だったのかを調べておくと、今後のためになりますね。

また、予期せぬ痛みが出ないように、日頃から定期健診を受診することもおすすめです。

 

笠貫歯科クリニックでは、予約診療の他に、急患対応も行っております。

皆様のお口の中が健やかでいられるよう、お手伝いができたらと思っております。

 

歯ブラシの種類と使い分けのポイント

2024年1月23日

みなさん、実は歯ブラシには、基本の歯ブラシと補助的に使う歯ブラシの2種類があることをご存知でしたか?

綺麗に歯を磨くためには、よい歯ブラシを選ぶことが必要です。

特徴をおさえ一人一人に合ったものを選ぶことが重要です。

 

そこで今回は、歯ブラシの種類についてと使い分けのポイントについてお話させて頂きます。是非、参考にしてみてください!

 

目次

◯基本の歯ブラシ

 ◆ヘッドの大きさ

 ◆毛先のタイプ

 ◆柄の形

◯補助的に使う歯ブラシ

 ◆ワンタフトブラシ

 ◆歯間ブラシ

◯歯ブラシの毛の硬さ

◯まとめ

 

 

 

◯基本の歯ブラシ

 

先ほども述べさせていただきましたが、

歯ブラシには、基本の歯ブラシと補助的に使う歯ブラシの2種類がございます。

 

まず基本の歯ブラシに関してします!

 ◆ヘッドの大きさ

歯ブラシのヘッドの大きさは、歯と歯茎に合わせて選ぶことが重要です。一般的には、「自分の上の前歯2本分より少し小さめのもの」がおすすめです。このくらいのサイズのヘッドでは、歯の裏側や奥歯にも届きやすく、歯茎に当たりにくいからです。

 

◆毛先のタイプ

一般的には、毛先が丸く加工された柔らかめの歯ブラシがおすすめです。これは、歯茎を傷つけにくく、プラークを除去しやすいからです。

歯ブラシの毛先のタイプには、以下のような種類があります。 

▶︎1.丸毛

歯茎を傷つけにくいです。

 

▶︎2.テーパード毛

歯と歯茎の隙間にも入り込みやすいです。

 

▶︎3.ウェーブ毛

歯の凹凸に沿って磨きやすいです。

 

◆柄の形

歯ブラシの柄の形は、歯磨きの際の握りやすさや操作性に影響します。

一般的には、直線型や曲線型のものが多く見られますが、他にも様々な形があります。

歯ブラシの柄の形には、以下のような種類があります。

▶︎①直線型

柄の形が直線になっているもので、シンプルで使いやすいです。歯ブラシの角度を自由に調整できるので、歯の表面や裏側など、磨きたい部分に合わせて使えます。ただし、柄の長さや太さによっては、握りにくい場合もあります。

 

▶︎②曲線型

柄の形が曲線になっているもので、手にフィットしやすいです。歯ブラシの角度が決まっているので、正しい磨き方を身につけやすいです。ただし、柄の曲がり具合によっては、磨きにくい部分もあります。

 

▶︎③三角型

柄の形が三角になっているもので、安定感があります。歯ブラシの角度が変わりにくいので、一定の圧力で磨きやすいです。ただし、柄の角度や大きさによっては、手に合わない場合もあります。

 

▶︎④四角型

柄の形が四角になっているもので、持ちやすいです。歯ブラシの角度が変わりやすいので、細かい部分にも対応できます。ただし、柄のエッジや厚みによっては、手に当たって痛い場合もあります。

 

▶︎⑤円筒型

柄の形が円筒になっているもので、滑りにくいです。歯ブラシの角度を自在に変えられるので、歯の形に合わせて使えます。ただし、柄の直径や素材によっては、握力が必要な場合もあります。

基本の歯ブラシについては、以上です。歯磨きの効果や快適さに大きく影響しますので、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。

 

 

 

 

◯補助的に使う歯ブラシ

 

補助的に使う歯ブラシとは、基本の歯ブラシだけでは磨きにくい部分に使うもので、ワンタフトブラシや歯間ブラシなどがあります。 

◆ワンタフトブラシ

ワンタフトブラシとは、毛束が一つだけの小さな歯ブラシのことで、歯と歯茎の境目や歯の裏側、奥歯の噛み合わせ面など、磨きにくい部分に使います。ワンタフトブラシには、以下のような特徴があります。

・毛束が一つだけなので、細かい部分にも届きやすく、プラークを除去しやすいです。

・毛先が丸く加工された柔らかめのものが多く、歯茎を傷つけにくいです。

・柄が曲がっているものや、角度が調整できるものもあり、操作性が高いです。

毛束の形や大きさによって、用途が異なります。例えば、円形のものは、歯と歯茎の境目や歯の裏側に使いやすく、楕円形のものは、奥歯の噛み合わせ面に使いやすいです。

 

◆歯間ブラシ

歯間ブラシとは、歯と歯の間に挿入してプラークを、除去するもので、ワイヤーに毛が巻き付いた形をしています。歯間ブラシを使うと、ブラシが歯と歯の間に入り込んで、プラークをかき出しやすいです。

歯間の大きさに合わせて、サイズを選ぶことが重要です。サイズが小さすぎると、効果が低くなりますし、大きすぎると、歯茎を傷つける恐れがあります。

ワイヤーの素材や太さによって、柔軟性や耐久性が異なります。例えば、ステンレスのものは、硬くて丈夫ですが、歯に当たると痛い場合がありますし、プラスチックのものは、柔らかくて滑りやすいですが、すぐに折れる場合があります。

 

 

 

◯歯ブラシの毛の硬さ

歯ブラシの毛の硬さには、以下のような種類があります。 

◆柔らかい

毛の硬さが柔らかいもので、歯茎が弱い人や出血しやすい人におすすめです。柔らかい歯ブラシは、歯と歯茎の隙間にも入り込んでプラークを除去しやすく、歯茎を傷つけにくいです。ただし、柔らかすぎると、歯の表面に付着したプラークを除去できない場合もあります。

 

◆普通

毛の硬さが普通のもので、歯と歯茎の状態が良好な人におすすめです。普通の歯ブラシは、歯の表面に付着したプラークを除去しやすく、歯茎に適度な刺激を与えることができます。ただし、歯茎に当たると痛い場合や、歯茎が引っ込む場合もあります。

 

◆硬い

毛の硬さが硬いもので、歯の表面が汚れやすい人や歯石ができやすい人におすすめです。硬い歯ブラシは、歯の表面に付着したプラークや歯石をかき出しやすく、歯の白さを保つことができます。ただし、歯茎を傷つけやすく、歯茎の炎症や出血を引き起こす恐れがあります。

 

◯まとめ

歯ブラシの種類と使い分けのポイントについては、以上です。歯磨きは、歯と歯茎の健康にとって非常に重要なことですので、自分に合った歯ブラシを選んで、毎日丁寧に磨くようにしましょう。歯科医院でのケアと自宅でのケアを併せて行うことが効果的です。

 

歯科治療で使われる素材を比較しよう!

2024年1月17日

 歯科治療で使われる素材を比較してみましょう!

虫歯というのは、放っておいても治るものではありませんね。

そして、いったん虫歯になって穴があいてしまった場所は、その形や機能を歯以外の素材で回復していく必要があります。

ここでは、歯科で用いられる治療用の素材について、特徴やメリット・デメリットについても説明していきます。

 

今回の記事はこんな方におすすめです!

どの素材で治療を行うか迷っている方

自分のお口の中の素材がどのようなものか知りたい方

 

目次 

 

1. アマルガム

2. 歯科鋳造用金銀パラジウム合金

3. コンポジットレジン

4. ハイブリッドセラミック

5. セラミック

6. 歯科用金合金

7. まとめ

 

 

1.アマルガム

アマルガムとは、無機水銀40~50%、銀35%、スズ9%、銅6%、少量の亜鉛から成る合金です。

加工がしやすく、凹凸のある穴にも隙間なく詰めることができ、また、抗菌性があるために治療後再び虫歯になる可能性が非常に低いということで、昔はよく虫歯の治療に使用されてきました。

しかし、水銀における健康被害が報告されたため、2016年以降は保険適応外となり、現在では使用されていません。

ですが、昔治療したアマルガムがお口の中に残っている方もいらっしゃいます。

水銀は、合金の状態であればほとんど害を及ぼさないのですが、咬んだ時の摩擦などのわずかな刺激によって蒸発し、体内に取り込まれてしまうことが報告されています。

お口の中にアマルガムが残っている場合は、他の素材に置き換えていくことをおすすめします。

 

2.歯科鋳造用金銀パラジウム合金

いわゆる「保険適応の銀歯」で使用されている合金がこれに当たります。

金12%、パラジウム20%、銀50%前後、銅20%前後、その他亜鉛、インジウム、イリジウム、スズなどから成ります。

メリットとして、強度が高いので、小さな詰め物から、大きな被せ物やブリッジなどにも使用することができます。(メタルインレー、メタルクラウン、メタルブリッジなど)

また、保険適応のため、価格を安く抑えることが可能です。

しかし、金属色のため、審美性に劣ります。

また、金属アレルギーの原因となる可能性があります。

特にパラジウムによるアレルギーの発症が多く報告されています。

 

3.コンポジットレジン

「CR(シーアール)」、「レジン」などとも呼ばれます。

プラスチックに強度を増すためにフィラーと呼ばれる硬い素材を混ぜた、いわゆる「強化型のプラスチック」ということが出来るでしょう。

保険適応されている白い素材になります。

小さなう蝕の部分に直接詰めることが出来るので、歯を削る量を最小限に抑えることができます。

また、保険適応の前歯の被せ物は、硬質レジン前装冠と呼ばれ、これは金属で製作したフレームの表側に当たる部分にコンポジットレジンを貼り付けて作られています。

裏側は金属ですが、表から見ると白い歯に見えるので、上下の前歯6本の被せ物の保険治療に用いることができます。

しかし、レジンには吸水性があるので、時間が経つにつれて変色や劣化が生じてしまうというデメリットがあります。

また、吸水性によって、プラークなどの汚れも付着しやすくなりますので、しっかりとしたプラークコントロールが必要になってきます。

強度はあまり強くないので、力の大きく加わる部位には使用できません。

硬質レジン前装冠のように金属のフレームを使用せずに、コンポジットレジンのみで製作されるレジンジャケットクラウンという被せ物もありますが、こちらは強度があまり強くないという理由から、使用できる症例に限りがあります。

 

4.ハイブリッドセラミック

コンポジットレジンの強度を上げるために、セラミックの粉末を混ぜたものになります。

それによって、透明感が増すなどの審美性も向上します。

自費のインレー、クラウンに用いられます。

セラミックと名前についてはいますが、どちらかというとレジンの性質が強く、吸水性があり、時間経過と共に着色・変色が認められます。

また、詰め物(インレー)、被せ物(クラウン)に使用できますが、強度がそれほど強くないので、注意が必要です。

近年、CAD/CAM冠(キャドカムカン)という名称で保険の被せ物にも適応となりました。

こちらを使用するには様々な条件がありますので、ご自身の歯に適応するかご相談ください。

 

5.セラミック

無機物を加熱処理し焼き固めたもののことをいい、陶器をイメージしていただけるとわかりやすいかと思います。

コンポジットレジンよりも硬く、とても審美性が良い素材です。

保険適応されないため、自費診療となります。

オールセラミック、e-max、ジルコニアなど様々な種類があり、それぞれに特徴がありますので、詳しくはお問い合せください。

 

6.歯科用金合金 

歯科で用いる金合金とは、金に銀や銅、プラチナなどを加えた合金になります。

保険適応されないため、自費診療となります。

金100%では柔らかすぎるので、使用用途によってその配合を変えて用います。

適合性が良く、経年劣化もほとんど生じないので、2次う蝕になりにくい素材です。

また、生体親和性が高く、歯と同じ位の硬さとしなやかさを持つので、歯の根や、咬みあう歯に対する負担を最小限に抑えることができます。

欠点としては、金色のために審美性に劣るという点です。

また、金属アレルギーの可能性があります。

 

まとめ

アマルガム : 昔よく使用された素材。健康被害が報告されているため、再治療をおすすめします。

金銀パラジウム合金(銀歯) : 強度が高く、詰め物から被せ物まで幅広く使用できる。保険適応。審美性に劣る。金属アレルギーの可能性あり。

コンポジットレジン : 歯を削る量を最小限に抑えて治療することができる。白色で目立たない。保険適応。強度が弱いので、大きな詰め物には使用できない。吸水性があり、着色、変色といった経年劣化がある。

ハイブリッドセラミック : セラミックの粉末を加えることによって、強度と審美性を向上させた素材。保険、自費両方で取扱われる。保険適応されるのは被せ物(クラウン)のみ。様々な条件があるので適応となるかは確認が必要。

セラミック : 審美性に優れ、強度的にも強い。オールセラミック、e-max、ジルコニアなど様々な種類がある。自費診療のみで用いられる。

歯科用金合金 : 生体親和性が高く、歯への負担が少ない優れた素材。審美性に劣る。自費診療のみ。

 

歯科治療では、様々な素材を用います。

虫歯などによって失ってしまった部位を、出来るだけその場所に適した素材で補っていくことが出来るように、素材も日々進化しています。

コンポジットレジンも、10年前と比較すると強度や審美性も向上してきました。

金属を使わないCAD/CAM冠が保険適応されたことなども、大きな変化といえるでしょう。

自分のお口にはどのような素材が適しているのか、どのようなものが選択できるのか、お口の中の状態を確認しながらカウンセリングしていくこともできます。

気になるところなどございましたら、ご相談ください。

 

歯の神経の治療 抜髄・根治と治療法について

2024年1月11日

根管治療は歯を残せるかの瀬戸際かもしれない

一般的な虫歯の治療は、虫歯の部位を削って樹脂を詰めたり、型を採り出来たものを歯に詰めたりする処置が一般的です。しかし、虫歯の状況など歯の状態によっては根管治療といって歯の根の治療(神経を取る治療)をしなくてはならない時があります。どのような時にそうなるのか、どのような治療をするのかを確認しておきましょう。

 

【目次】

・どんな時に神経の処置をするのか

・どういう治療をするのか

・神経を取った歯が痛くなる?

・神経を取った後の歯はどうするのか

・まとめ

 

どんな時に神経の処置をするのか?

 

P0INT☝️:何もしていなくても痛い時や神経を取ったはずの歯が痛む時には要注意。

 

虫歯が神経近くまで進行すると、何もしなくても痛みが出ることがよくあります。一般的に虫歯の治療は虫歯の部位を削り、詰める処置がなされます。

しかし、自発痛という何もしなくても痛みが出ている場合には神経を取る処置が行われることが多いです。見た目には大きく欠けていなくても、歯と歯の間や詰め物と自分の歯の間から虫歯が内部で大きく進行している場合もあり、見た目だけで判断することは難しい場合があります。レントゲン写真を撮ると大きく穴があいている所見があることが珍しくありません。こういった場合には専門的には抜髄という処置が行われます。

 一方で神経を取った歯にも神経の治療をする時があります。これは以前に神経の処置をしたにもかかわらず、痛くて咬めない、歯茎におできの様なものができた場合などが該当します。根の先を根尖というのですが、その周囲に炎症が起きるとそのような症状を呈します。この場合、一度詰め物や被せ物を外して根の治療をすることがあります。神経を取って被せてもどこからか細菌が入り込んで炎症を起こすことがあり、その場合に行われる処置です。

 どちらも根の掃除をしていますが、前者は抜髄、後者は感染根管治療という名で区別されています。どちらかというと、後者の方が治療回数や時間がかかることが多いと思います。

 

どういう治療をするのか

 

P0INT☝️:抜髄も感染根管治療も見た目には区別できないが目的が異なる。

 

抜髄に関しては歯の中の神経組織を取り除く処置を行います。感染根管治療は根の中の感染源や汚染物質を取り除き根管の中をきれいにする処置を行います。どちらもファイルという針のようなものを用いて根の中を掃除します。根の中がきれいになり次第、感染物質が根の中に入らないように材料を根の中にしっかりと詰め込み蓋をします。感染根管治療の場合には、根の中が感染しており、汚染物質をしっかりと取り除かないといけません。その為、1、2回で根の治療が終わらない場合もあります。自由診療で根管治療を行っている歯科医院もあるのですが、そこでは1回でなるべく根管を綺麗にするようにするために時間をしっかりとって行われることが多いようです。歯科医によって使用器具や材料にもこだわって、マイクロスコープやラバーダムを用いて治療される場合が多いと思います。最近ではニッケルチタンファイルというものが保険適用になりました。これは、今まで自由診療で使用されていたファイルで、根の中の形態に沿うようなしなやかなファイルです。1本当たりの単価が高い為、保険診療では採算が取れず使用しにくい状況でしたが、マイクロスコープを有している歯科医院では保険での算定が認められるようになりました。使用したから必ず治るわけではありませんが、歯科医師も患者さんも恩恵があるものと思われます。

 

神経を取った歯が痛くなる?

P0INT☝️:神経を取った後でも痛みが出る場合はあり、痛み止め等で対応してもらう事がある。

 

話は変わりますが、根管治療を行った後は歯やその周囲に痛みが出ることがあります。歯の神経を取ったのになぜ痛くなるのか。治療前は痛くなかったのに治療後から痛くなった。という疑問や不信を抱いてしまう事があると思います。まず、根管治療は歯の神経を取るという歯にとって負荷が大きい治療です。麻酔が切れた後や治療後に痛みが出ることがあります。また、根管治療においては根尖付近(炎症部位)を触ることになるので、一時的に急激に痛みが出ることがあります。そのため、痛くなかった歯が痛くなるという事が生じてしまう事があります。患者さんは不信感を抱くことになってしまうかもしれませんが、そうならないように予防的に痛み止めや抗生剤を処方されることがあると思います。もちろん、必ず痛みが出るわけではありませんし、痛みが出るのが嫌だからと治療を行わないとより深刻な事態を招くこともあるので注意が必要です。

 

神経を取った後の歯はどうするのか</h2>

P0INT☝️:詰め物や被せることが可能であれば行うが、場合によっては入れ歯の支えにする。

 

根管治療が幸い奏功すれば、詰め物をしたり、被せたりして元の形態に戻すように処置を進めていきます。この際に、白い材料にするか、保険の材料にするか選択をするようになります。選択肢は歯科医院や歯の状態により異なるのでよく相談するようにしましょう。しかし、根管治療が上手くいっても被せるには頼りない歯も存在します。その場合には歯の根だけ残す場合もあります。入れ歯を装着中であれば、場合によっては入れ歯の安定に使えるように形を整えたり、材料を根に組み込んだりする場合もあります。

 

まとめ

根管治療は歯を残す最終手段の様な側面があり、痛みが引かない、根の中から膿がずっと出る、歯にヒビや割れがある場合などは抜歯になる事があります。治療に関しても感染根管治療になってしまうと汚染物質を除去しなくてはいけないので場合によっては治療回数や時間が多くかかることも少なくありません。治療を開始してから痛みが引いたからと来院を止めてしまう患者さんもいらっしゃいます。しかし、治っているわけではないので痛みが再発したり、根管の汚染がさらに酷くなったりと状況が当初より悪化するケースもあります。治療が始まったら、歯を残すためにも治療にしっかりと通いましょう。

 

歯肉から血が出た!原因は?対処法は?

2024年1月8日

ブラッシングをした時、血が出た経験はありませんか。
「歯ブラシで傷つけてしまったかも」
その可能性もありますね。
しかし、優しく磨いても、歯肉から血が出ることがあります。
これは何故でしょう。
また、血が出た時は、触らず安静にしておく必要があるのでしょうか。

目次

◯ブラッシングで血が出る原因
◯歯肉炎で出血するメカニズム
◯出血を止めるには
◯出血が止まらない場合
◯歯肉炎から歯周病へ
◯まとめ

 

 

 

◯ブラッシングで血が出る原因

 

ブラッシングで出血する原因は、いくつか考えられます。
力を入れて磨き過ぎたとき、硬めの歯ブラシでゴシゴシ磨いたとき、もともと口内炎などの傷があり、そこに歯ブラシが触れてしまい出血することもあります。
しかし、ブラッシングで出血する原因の多くは、歯肉が腫れて炎症を起こしていることによります。

 

 

 

◯歯肉炎で出血するメカニズム

 

歯肉炎とは、歯肉の中で炎症反応が起きている状態のことをいいます。
歯肉炎が進行していくと、歯周病になっていくのですが、ここではまず、歯肉に限局した炎症である歯肉炎のメカニズムをみていきましょう。

歯肉炎の原因の多くは、お口の中の清掃不良によります。
歯と歯肉のさかい目の部分は、くぼみになっており、汚れが残りやすい部位です。
そこに細菌が集まり、塊状になっていきます。
これをプラーク(歯垢)といます。
すると、身体の免疫機能が、細菌を排除しようと動き出します。
歯肉に存在する「毛細血管」という細い血管が広がり、血流を増やすことによって、白血球をなどの免疫細胞を沢山運んで、細菌に対抗しようとするのです。
毛細血管は、もともと細く弱い血管なので、大量の血液を運んでくることで、少しの刺激でも破れやすくなります。
薄いゴム製の水風船を限界まで膨らませているようなものです。
そのため、ブラッシングなどの刺激で破れ、血が出てしまうのです。
毛細血管は、敵である細菌(プラーク)がいなくなれば、いつもの血流量に戻ります。
つまり、ブラッシングで出血するということは、その部位に細菌が存在し、今まさに血流を増やして細菌と戦おうとしている状態であるということができるのです。

 

 

 

◯出血を止めるには

 

細菌がいなくなれば、血流も元に戻り、通常のブラッシングでは出血しなくなります。
つまり、出血を止めるには、歯ブラシで優しくブラッシングを行い、残っている汚れと細菌をきれいにしていく必要があります。
適正なブラッシングは歯肉のマッサージ効果もあるので、よりいっそう血流が増加し、最初はどうしても出血するでしょう。
しかし、汚れと細菌を除去することが出来れば、歯肉に対する攻撃もなくなります。
それによって、毛細血管も通常の太さに戻り、刺激に対しても破れにくくなります。
矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、出血を止めるには、出血を厭わずしっかりブラッシングするのが最善なのです。

 

 

 

◯出血が止まらない場合は

 

ていねいにブラッシングを行っても、歯肉からの出血が止まらない場合もあります。
プラークは、歯面に付着してから時間が経つと、お口の中のカルシウム成分などとくっついて、歯石と呼ばれる硬い状態に変化します。
プラークは歯ブラシで除去できますが、歯石に変化すると歯ブラシでは除去できなくなります。
また、歯肉の下の見えにくい場所にむし歯が出来ていることや、歯根の中で起こった炎症が歯肉に及んでいる可能性なども考えられます。

歯ブラシでていねいに磨いても歯肉からに出血が止まらない場合は、歯科医院で診てもらうようにしましょう。
歯石が原因の場合は、機械で歯石を除去していくことが出来ますよ。

 

 

 

◯歯肉炎から歯周病へ 

ここまでのお話は、歯と歯肉のさかい目あたりで生じている現象です。
歯肉に炎症がおこるので、歯肉炎と呼ばれます。
しかし実際は、この歯と歯肉のさかい目から、歯周ポケットを伝って歯肉のより深い場所へ、炎症は進行していきやすくなります。
歯周ポケットの中で生じた炎症は、深くなればなるほど、御自身での清掃によって改善していくことが難しくなっていきます。
また、炎症が進行していくと、歯槽骨を溶かす歯周病へと進行してきます。
一旦溶かされた骨は、自然に元には戻りません。
出来るだけ早い段階で食い止めていくようにしましょう。

 

 

 

◯まとめ

POINT①:ブラッシングで出血する原因の多くが歯肉炎であり、清掃不良によって生じることが多い。
POINT②:歯肉からの出血を止めるには、炎症の原因である細菌や汚れをブラッシングによって取り除く必要がある。
POINT③:ブラッシングで改善しない場合は、歯ブラシで除去出来ない歯石が付着していることや、別の原因が隠れている可能性もあるので、歯科医院で診てもらうことを勧める。

歯肉炎から歯周病へは気が付かないうちに進行していきます。
気が付いた時には重度の歯周病で歯を失ってしまうことも。
歯肉からの出血は、身体からの大切なサインなのです。
ブラッシングで出血する部位は、意識してしっかり磨くようにしましょう。
また、歯肉からの出血は、血液の病気などが原因の可能性もあります。
歯肉から一度出血するとなかなか止まらない、などといった症状には注意が必要です。

当医院では、定期的な検診および歯科医院での歯石除去を含めたクリーニングをおすすめしております。

歯肉からの出血や、お口の中のことで気になることがありましたら、ご相談ください。

 

知覚過敏の原因となる歯磨き粉の成分

2023年12月16日

みなさん、知覚過敏症はご存知ですか?

知覚過敏症は正式には「象牙質知覚過敏症」といって、冷たいものを飲んだり食べたりしたときや、歯を磨いたときに歯がしみる症状が出ることをいいます。

 

原因は、歯のいちばん表面にある「エナメル質」が虫歯や歯がすり減ることによって削れたり剥がれてしまい、その下の「象牙質」が剥き出しになってしまうことです。

 

象牙質には歯の神経が存在するため、冷たいものや歯ブラシの刺激によってしみると感じてしまうのです。

 

知覚過敏の原因のひとつに、みなさんが普段使っている歯磨き粉の成分「研磨剤」があるのではないかと言われています。

 

今回はその研磨剤が知覚過敏を引き起こす可能性についてお話しします。

 

目次

◯歯磨き粉に含まれている「研磨剤」とは?

◯研磨剤が知覚過敏を引き起こすメカニズム

 ◆エナメル質を削ってしまう

 ◆神経を刺激する

◯研磨剤入りの歯磨き粉を使うメリットとデメリット

 ◆メリット

 ◆デメリット

◯知覚過敏用の歯磨き粉

◯まとめ

 

 

歯磨き粉に含まれている「研磨剤」とは?

わたしたちが日頃使っている歯磨き粉はさまざまな有効成分が含まれていますが、その中でも研磨剤は歯の表面にあるエナメル質の部分に付着した汚れや着色を落とすことを目的とした成分です。

歯磨き粉の種類によってさまざまな物質が使われていますが、主に「リン酸水素ナトリウム」「炭酸カルシウム」「炭酸水素ナトリウム」「無水ケイ素」が使われていることが多いです。現在一般的に販売されている歯磨き粉に含まれている研磨剤には歯を削るほどの力はないと考えて良いですが、粒子が粗いものであればあるほど着色を落としやすい一方で、歯が削れるリスクは高くなります。

 

研磨剤が知覚過敏を引き起こすメカニズム

 

エナメル質を削ってしまう

研磨剤は歯磨きのときに、歯ブラシを使って歯の表面の汚れをこすり落とす働きがあります。正しい歯ブラシの使い方をしていればエナメル質を削ってしまうことはありませんが、力を入れすぎたり、正しい歯ブラシの使い方ができていないと、過剰に歯を削ってしまっている可能性があります。エナメル質は硬い性質を持っていますが、正しくない歯ブラシの使い方をしていると削れて、象牙質が剥き出しになってしまいます。

自分ではできていると思っていても、意外と間違った歯磨きをしているかもしれません。歯科医院へ行って正しい歯の磨き方をしっかり教えてもらいましょう。

 

 

神経への刺激

象牙質は細かい管状の構造をしており、神経が集まっている歯髄までの距離がとても近いです。象牙質に入り込んでいる神経もあります。普段は剥き出しになった象牙質は唾液の成分によって守られているのですが、何らかの原因で守られる力が弱くなると刺激を神経が敏感に感じ取り、痛みを感じてしまいます。これが知覚過敏の原因のひとつとなります。

 

 

研磨剤入りの歯磨き粉を使うメリットとデメリット

メリット

研磨剤入りの歯磨き粉を使うと、知覚過敏の原因になる可能性があることは上記のとおりですが、一方でメリットもあります。

知覚過敏の原因になるからといって研磨剤入りの歯磨き粉が悪いわけではありません。研磨剤は歯ブラシのブラッシングだけでは落としきれない汚れを取り除いてくれます。

たとえば、タバコやワイン、コーヒーをよく飲む方は、これらによる汚れはブラッシングだけでは簡単に取り除くことができませんが、研磨剤入りの歯磨き粉を使うことで取り除くことができます。

また、歯の表面を削ることにより、歯を白く見せるホワイトニング効果もあります。

 

◆デメリット

研磨剤入りの歯磨き粉を使うデメリットは、知覚過敏の原因になること以外にも歯ぐきの炎症を起こしてしまう可能性があります。

研磨剤は硬く、ザラザラした物質のため、歯ブラシで磨くことによって歯ぐきにこすりつけることになります。また、唾液や水に溶けないため、歯磨きの後のうがいが不十分だと研磨剤が口の中に残ってしまうことがあります。口の中に残った研磨剤に食べ残しが付き、歯ぐきに炎症が起きてしまう可能性もあります。そのため、研磨剤入りの歯磨き粉を使う際はしっかりうがいをして歯磨き粉を口の中に残さないようにしましょう。

 

知覚過敏用の歯磨き粉

世の中には、知覚過敏用の歯磨き粉で研磨剤の入っていないものも販売されています。知覚過敏に効果的な成分として、「硝酸カリウム」「塩化アルミニウム」があります。これらは歯の層に働き、歯髄神経の過敏性を和らげる効果があります。

また、フッ素配合の歯磨き粉を使用するのも効果的です。フッ素は象牙質の表面をコーティングすることができるので、歯を刺激から守ることができます。

当院では知覚過敏用の歯磨き粉も販売しておりますので、ひとりひとりに合った歯磨き粉をおすすめすることができます。ぜひご相談ください。

 

◯まとめ

研磨剤入りの歯磨き粉は知覚過敏の原因となる可能性がありますが、正しい使い方をしていれば知覚過敏になることはありません。

歯科医院で正しい歯の磨き方を教えてもらいましょう。

 

歯の痛みが激しい時の自宅での緩和方法

2023年12月14日

目次

◯歯の痛みの原因

 ◆虫歯や歯周病が引き起こす歯の痛み

 ◆歯の痛みは全身の病気やストレス原因

 ◆痛みの症状によって原因を判断

 

◯自宅でできる歯の痛みの緩和方法

 ◆痛みを軽減するための塗り薬や飲み薬

 ◆歯周病などの病気を改善するための歯磨きやうがいの方法

 ◆緊急の場合に役立つ応急処置の方法

 

◯専門家の治療を受ける必要性

 ◆痛みの原因が病気である場合には歯科医師の診断が必要である理由

 ◆歯科医師による治療が必要となる痛みの症状

 ◆自己判断で治療を行うことが危険な理由

 

◯まとめ

 

 

◯歯の痛みの原因について

◆虫歯や歯周病が引き起こす歯の痛み

虫歯は、虫歯菌により歯が溶けてしまう病気です。歯の表面の汚れを栄養として虫歯菌は酸を作り出し、歯を溶かしていきます。

虫歯は進行をもとに分類されます。

初期虫歯

いわゆる虫歯になりかけの状態です。歯の表面の透明感がなくなったり溝が黒くなり始めた状態です。またエナメル質と呼ばれる歯の表層にのみ虫歯があり、まだ治療が必要ではない状態です。

中等度の虫歯

歯の表面のエナメル質に限局せず、その下にあり歯の内部の象牙質と呼ばれるところまで虫歯が広がり、治療が必要な状態です。

冷たいものや甘いものがしみたり、咬むと違和感のような痛みを感じます。

大きさと場所により、虫歯をとって白い詰め物で補うケースと型どりを行い保険だと銀歯で補うケースがあります。

大きな虫歯

虫歯が象牙質の中にある歯の神経にまで及んだ状態です。進行していくと歯がずきずきするといった激痛を伴うことが多いです。神経の治療が必要になります。

残根

虫歯で歯の大部分が溶けてなくなってしまい、根っこの部分だけしか残っていない状態です。歯の神経も死んだ状態になってしまい、悪化しすぎたことにより痛みを感じなくなります。治療としては歯を抜かなくてはならないことがほとんどです。 

 

歯周病

歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。

歯周病菌のだす毒素で歯の周りの歯ぐきが炎症を起こして赤く腫れたり、歯を支える骨が溶けてしまう病気です。進行すると歯がぐらぐらして抜け落ちてしまいます。痛みがほとんどなく、気付かないうちに進行していきます。進行していくと咬んだ時に違和感のような痛み、冷たいものがしみる、歯茎が腫れて違和感があったり痛みを感じるといった症状がみられます。 

 

歯の痛みは全身の病気やストレス原因

まずはお口の中に痛みを感じる可能性がある全身の病気を説明します。

口腔癌では、時に歯の痛みを感じることがあります。

狭心症では胸の痛みと共に心臓のある左側の下顎や歯に痛みを感じることがあります。

また病気ではありませんが、女性では思春期、月経時、妊娠時等に女性ホルモンのバランスが変化する影響で一時的に歯肉が腫れることがあります。腫れがひどい場合は痛みを感じることがあります。

水疱瘡、いわゆる水痘では発熱とともに全身に水ぶくれが発生します。お口の中にも水ぶくれが出来て痛むことがあります。

風邪をひいた時も歯の痛みを感じることがあります。健康な時は歯の痛みなどなくても、風邪をひいた時に歯の痛みが生じることがあります。これは風邪によって免疫力が低下し、細菌の活動が活性化されるためです。 

 

次にストレスによる歯の痛みについて説明します。

精神的ストレス、肩こり、頭痛などからも歯の痛みが引き起こされることがあります。歯ぎしりや食いしばりといった悪習癖はストレスが原因ともいわれています。歯ぎしりや食いしばりによりお口の周りの筋肉に過剰な負担がかかること、歯の特定のところにのみ負荷がかかることで歯の痛みを感じることがあります。

 

◆痛みの症状によって原因を判断する方法についての説明

歯の痛みにはいくつか種類があります。

冷たいものがしみる場合、知覚過敏や虫歯の可能性があります。

何もしなくても歯がずきずき痛い場合、虫歯や食いしばりなどによる歯根膜炎、歯茎の強い炎症の可能性があります。

違和感のような痛みの場合、虫歯や食いしばりなどによる軽度の歯根膜炎、歯茎の軽度の炎症の可能性があります。

しかし、お口の中は自分ではしっかり確認しにくい場所のため、素人が自己判断をするのはとても危険です。歯医者さんへ行きましょう。

 

◯自宅でできる歯の痛みの緩和方法

◆痛みを軽減するための塗り薬や飲み薬についての解説

虫歯の状況によっては夜に痛みが強くなることもあり、痛みが強くて眠れないということもあります。痛みが強い場合は市販の痛みどめのお薬を服用し、すみやかに歯医者さんへ行きましょう。

また歯茎が腫れて痛みを感じる場合には歯槽膿漏の塗り薬を塗ってもかまいません。しかし、たとえそれで痛みが落ち着いたとしても歯医者さんへ必ず行きましょう。 

 

◆歯周病などの病気を改善するための歯磨きやうがいの方法についての説明

汚れをしっかり1度落としても1日3回ごはんを食べるので、毎日しっかりと歯を磨いてきれいにする必要があります。歯と歯茎の境目まできちんと歯ブラシで汚れをしっかりと除去しましょう。歯ブラシはきちんとした方法を身につけることで磨き残しが起きにくくなり、歯周病予防につながります。

また昼休みなど歯磨きをする時間がない場合、うがいだけでもするようにしましょう。うがいにより、細かい汚れは残りますが、大きな汚れはとれます。その際にはお口の中のすみずみまで、歯と唇の間にまで行き渡らせるようにうがいをしましょう。 

 

◆緊急の場合に役立つ応急処置の方法についての説明

歯が痛いけれどどうしても歯医者さんへ行けないという時もあると思います。

その場合、痛みの原因になることは避けましょう。例えば、何もしなくても歯の痛みがあり、お風呂に入ったり寝ようとする夜になると痛みが特に増す場合には長湯をせずシャワー程度ですますようにしましょう。冷たいものがしみるようなら冷たいものは避けましょう。

また応急的に市販の薬を使ってもいいと思います。しかし、薬で痛みが落ち着いたとしても必ず歯医者さんへ行きましょう。 

 

◯専門家の治療を受ける必要性について

◆痛みの原因が病気である場合には歯科医師の診断が必要である理由についての説明

お口の中の病気の判断はとても難しいです。また日々の生活のなかでそういうものだと思ってしまうことも多いのです。

例えば、お風呂で体をスポンジで洗っていて出血があったらおかしいと思いますよね。ですが、毎日歯ブラシをして出血がある方の場合はそれが当たり前、普通のことだと思っていることも多いのです。しかし、歯茎からの出血は歯周病の可能性が高いです。

また虫歯や歯周病、歯根膜炎などレントゲンをとらないとしっかり診断ができないこともあります。また虫歯などはひどくなりすぎると一時的に痛みが感じられなくなることがあります。そのため治ったと思う方も多いようですが、お口の中の病気は自然に治ることはほぼありません。

必ず歯医者さんへ行きましょう。

 

◆歯科医師による治療が必要となる痛みの症状についての説明

何もしなくても歯がずきずき痛い、夜になると痛いという場合は歯の神経の処置が必要となる可能性が高いです。

咬むと痛いといった場合には歯周病の治療、虫歯の治療、歯根膜炎の治療が必要になる可能性があります。

冷たいものがしみるといった場合には虫歯の治療、知覚過敏への処置、歯周病の治療が必要となる可能性があります。

違和感のような痛みを感じる場合には歯周病の治療となる可能性があります。 

 

◆自己判断で治療を行うことが危険な理由についての説明

虫歯などはひどくなりすぎると一時的に痛みが感じられなくなることがあります。また歯周病でも歯ブラシをすることで一時的に痛みが軽減します。

そのため治ったと思う方も多いようですが、お口の中の病気が自然に治ることはほぼありません。そのまま放っておくと歯を抜かなくてはいけなくなる可能性もあります。

必ず歯医者さんへ行きましょう。 

 

◯まとめ

お口の中の痛みはたとえ小さなものでも異常なことです。そういうものだと慣れたりせず、歯医者さんへ行くようにしましょう。

子どもの歯を強くする食事と栄養

2023年12月1日

一生モノの強い歯を作るための食べ物とは?

 

他の体の組織と同様に歯も食べたものの栄養から作られています。

 

虫歯や歯周病に悩まされない強い歯を作るためには、成長期の食事が大切です

一生モノの強い歯はご家族からの大切なプレゼントですよね。

 

でも何気ない習慣が実は虫歯の原因になっているかもしれません。

食事から見直して一生モノの強い歯をプレゼントしてあげましょう。

 

【目次】

◯強い歯を作る食事はいつから始めればいいの?

◯強い歯を作る栄養素
 ◆カルシウム

 ◆ビタミンD

 ◆マグネシウム

 ◆たんぱく質

 ◆ビタミンC

 ◆ビタミンA

◯妊娠期~子どもの食事で強い歯を作ろう

 ◆新型栄養失調に気をつけよう

 ◆乳歯が生えてきたら

◯まとめ

 

 

 

◯強い歯を作る食事はいつから始めればいいの?

子どもの歯がいつから作り始められるかご存知ですか?

 

乳歯がお口の中に出てくるのは、だいたい生後6ヶ月から1年ですが、実は歯は生まれる前から骨の中ででき始めます。

 

乳歯のたまご(歯胚)ができ始めるのは、なんと、妊娠7週目から始まります。

歯のたまごは骨の中で石灰化して固くなっていきます。

 

乳歯の石灰化が始まるのは妊娠4ヶ月頃からです。

乳歯は生まれる前からお口の中に生えてくる準備をしているんですね。

 

つまり、お子さんの歯を強くするためには、妊娠中からの食事が大切になります。

 

 

 

◯強い歯を作る栄養素

お子さんの歯を作る栄養素はひとつだけではありません。

歯を作る栄養素には以下のものがあります。

 

◆カルシウム

歯や骨の原料になります。

体のカルシウムは約99%が骨と歯に蓄えられています。

 

カルシウムを多く含む食べ物は、
小魚、桜えび、大豆、大豆製品、ひじき、ごま、小松菜などです。

 

◆ビタミンD

腸からのカルシウムの吸収を助け、歯や骨に送り込む働きがあります。

カルシウムが効率よく体に吸収されるためにはビタミンDが必要です。

 

ビタミンDを多く含む食べ物は、

さんま、イワシなどの青魚、鮭、干し椎茸などです。

 

◆マグネシウム

歯を支える骨の成分になったり、カルシウムの吸収を助けたりする役割があります。

マグネシウムを多く含む食品は、魚介類、海藻類、納豆、玄米、アーモンドなどです。

 

◆たんぱく質

歯や歯ぐきの土台になります。歯や歯ぐき、骨の構成要素であるコラーゲン線維の元となります。

たんぱく質を多く含む食べ物は、卵、魚、肉、乳製品、大豆などです。

 

◆ビタミンC

歯や歯ぐきの土台となるコラーゲン線維を作るのに必要になります。

歯や骨の約50%はコラーゲンでできています。

 

ビタミンCを多く含む食べ物は、ブロッコリー、ピーマン、苺、じゃがいもなどです。

 

◆ビタミンA

歯の表面の組織であるエナメル質を作ります。

 

ビタミンAを多く含む食べ物は、レバー、卵、うなぎ、チーズ、緑黄色野菜などです。

 

 

ただし、ひとつの栄養素だけたくさん摂取してもよくはなりません。

栄養はバランスがあり、ひとつの栄養素が働くためには、他の栄養素が作用していることが多くあるからです。

 

いろいろな食材からバランスよく栄養を摂取していきましょう。

 

でも、嫌いな食べ物を無理して食べなくても大丈夫です。

 

例えば、魚介類が苦手な場合は、海藻や大豆製品、玄米などを多くとり、代用しましょう。

無理に食べることでお母さんやお子さんにストレスになると、かえって良くないですよ。

 

 

 

◯妊娠期~子どもの食事で強い歯を作ろう

 

 

◆新型栄養失調に気をつけよう

近年、「新型栄養失調」という言葉が話題になっています。
食べ物が豊富にある現代でも、栄養失調は気を付けなければなりません。

 

「新型栄養失調」とは、摂取カロリーは足りているのにタンパク質やビタミン、ミネラルといった特定の栄養素が不足している状態を指します。

インスタント食品や自己流のダイエットなどで、栄養が偏ってしまうことがあります。

 

特に現代日本人が気をつけなけらばならない栄養素として、カルシウム、鉄、マグネシウム、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンC、食物繊維などが挙げられます。

実はこれ、ほとんどが健康な歯をつくるために必要な栄養素です。

 

 

◆乳歯が生えてきたら

では、お子さんの乳歯が生えてきたら、どのようなことに気を付ければ良いでしょうか。
歯は生えた後もお口の中で脱灰と再石灰化が繰り返され、表面の成分が変化します。

脱灰は酸などにより歯の表面のミネラルが溶け出すことです。

 

再石灰化とは、脱灰により歯から溶け出たミネラルを元に戻す唾液の自然治癒のメカニズムのことをいいます。

再石灰化よって唾液が歯の表面のエナメル質を強くし、初期虫歯を穴が開く前に元の健康な状態に戻してくれます。

歯の再石灰化には、カルシウムやリンが必要です。
リンはインスタント食品や加工品、タンパク質の多い食べ物に多く、普通に生活していれば不足することはありません。

日本人は欧米と比べ、食生活においてカルシウムが不足しがちなので、積極的に摂取しましょう。

 

幼児期からは噛む力を育てることも大切です。

噛む力が弱いと、ラーメンやハンバーグのような柔らかい食事を好むようになり、歯並びにも悪影響を及ぼします。

幼児期に歯ごたえのあるおやつを与えて歯でかじり取る練習をするとよいでしょう。

例えば、大きめに切ったリンゴや柿、おにぎりなどです。

 

歯に良くないおやつとしては、虫歯になりやすい砂糖の入ったジュースやスナック菓子、菓子パンなどです。

歯にくっつきやすいものは虫歯のリスクが高く、特にぐずった子どもをなだめる時などに少量ずつあげていると、歯に停滞しやすくなります。

 

生えたばかりの歯は、虫歯になりやすいので注意しましょう。

 

 

 

◯まとめ
子どもの強い歯をつくるには、妊娠中からのバランスの良い食事が重要です。

食べ物はお互いが補い合って栄養として身体に取り込めるようになっているからです。

お子さんの歯が生えてきたら脱灰と再石灰化を意識して噛む力を育てましょう。

丈夫できれいな歯は一生モノのプレゼントです。ぜひ今日から実践してみましょう。

初診「個別」相談へのご案内

当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。

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