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インプラントとブリッジ、どちらがいいの?①〈治療方法の違い〉

2024年3月31日

何らかの理由で歯を失ってしまった時。

 

なくなった歯を補う方法としては、インプラント、ブリッジ、義歯(入れ歯)の3種類があります。

 

失った歯の本数が少ない場合、インプラントとブリッジで悩まれる方が多いですね。

ここでは、インプラントとブリッジの治療方法における違いについて、お話していきましょう。

 

目次

1.インプラントとブリッジ、どんな治療法?

2.インプラントとブリッジの治療における違いとは?

 ◆歯を削る必要性

 ◆外科処置の必要性

 ◆周囲組織の状態により受ける影響

 ◆咬合力、周囲の歯への負担

 ◆メンテナンス

 ◆治療期間

 ◆費用

3.まとめ

 

1.インプラントとブリッジ、どんな治療法?

インプラントとは、歯を失った部分の顎骨に、外科手術によってチタン製の人工歯根を埋め込み、その上に土台を立てて、人工の歯を被せる方法です。

一方、ブリッジとは、失った歯の両隣の歯を削って土台を作り、3本以上の人工歯を繋げて、橋をかけるように土台の歯に取り付けることで、失った歯の部分を補う方法です。

 

2.インプラントとブリッジの治療における違いとは?

では、インプラントとブリッジの治療方法にどのような違いがあるのか、比較して見ていきましょう。

 

◆歯を削る必要性

インプラントの場合は、両隣の歯を削ることなく処置を行うことができます。

 

しかし、ブリッジの場合は、両隣の歯を土台として、連結した歯を被せていく治療法のため、土台となる歯を大きく削る必要があります。

これが、ブリッジの治療の最大のデメリットです。

むし歯1つない健康な歯であっても、ブリッジの土台とする場合は、歯の表面を全周削っていく必要があるのです。

また、歯が傾いている場合や、歯の内部にある神経が表面に近い場合は、削ったあとに痛みを生じることがあります。

その場合は、神経を取る処置も必要になってきます。

さらに、健康な歯の表面を大きく削ることによって、虫歯に対するリスクが高くなります。

 

そうはいっても、ブリッジで歯の表面を覆っていれば、むし歯になりにくいような気もしますね。

しかし、汚れの残りやすい歯の根元、つまり歯と歯肉のさかい目には、被せ物と自分の歯とのさかい目が存在します。

ここから、むし歯が発生することが多いのです。

また、自分の歯質量が少なくなっているので、虫歯が大きくなると、その歯を残すことが難しくもなるのです。

 

ただし、もしも土台となる歯が既に被せ物で覆われているのであれば、ブリッジのデメリットが大きく減少します。

既に入っている人工の歯を削って外し、形を整えた上で新しくブリッジを入れていく場合は、この治療において、御自身の歯を削る量が少量で済むことになるからです。

かといって、むし歯のリスクが低下するわけではないので、引き続き注意が必要ではあります。

 

◆外科処置の必要性

ブリッジは、外科処置の必要性はありません。

 

それに対してインプラントは、外科処置(外科手術)が必須となります。

局所麻酔(部分的な麻酔)をしっかり行うので、痛みを感じることはありませんが、歯肉の切開や、顎骨へインプラント体を埋める処置などの、外科手術を行う必要があるのです。

そのため、高血圧や糖尿病などの全身疾患がある場合は、施術自体を行うことが出来ない可能性があります。

また、外科手術の際には、顎骨内の神経や血管の損傷、術後の細菌感染、インプラント周囲炎、インプラント体が顎骨に定着しない、などといったトラブルが発生する可能性もあります。

 

◆周囲組織の状態により受ける影響

インプラントは、インプラント体を埋め込む部位の顎骨の厚み、高さ、密度や、その中を走行する神経、血管の位置など、周囲組織の状態がとても重要になってきます。

年齢を重ねるにつれて、顎骨も痩せてきやすいので、インプラントを保持出来るだけの骨の量がない場合や、骨の内部の状態が良好でないと、インプラント治療を行うことが出来ません。

また、隣接する歯や歯周組織に炎症が生じていると、インプラントの予後が悪くなってしまいます。

インプラント治療を行う前に、むし歯や歯周病の治療を終わらせておく必要があります。

 

ブリッジの場合は、失った歯の前後に土台となる歯があること、また、その歯に欠損部の咬み合う力を肩代わりできるだけの強度があることが必要となります。

また、失った歯が、強い咬合力を支える歯であった場合は、それを支えるために土台となる歯を増やすこともあります。

しかし、周囲組織の骨量や神経、血管の位置などには、影響は受けません。

 

◆咬合力、周囲の歯への負担

インプラントの場合、咬合力はインプラント体である人工の歯根で受け止めます。

そのため、周囲の歯に負担がかかることはありません。

 

ブリッジの場合、ブリッジ全体にかかる力を土台の歯で受け止めます。

つまり、欠損した部分の咬合力は、土台の歯が肩代わりすることとなり、その分、土台の歯に大きな負担がかかることになります。

 

◆メンテナンス

メンテナンスは、インプラント、ブリッジ共に必要になります。

 

ブリッジは、自分の歯である土台の歯がむし歯になったり、歯周病になったりしないよう、また、負担がかかりすぎて破折を起こしたりしないように気を付ける必要があります。

特にブリッジでは、御自身の歯がない部分である人工歯周辺の清掃が難しく、汚れが残りやすい為に、口臭やむし歯・歯周病の原因となりやすいので、注意が必要です。

 

インプラントは、むし歯にはなりません。

しかし、インプラント周囲が清潔に保たれていないと、歯肉に炎症が生じ、インプラント周囲組織に炎症が広がることがあります。

これをインプラント周囲炎といいます。

インプラント周囲炎を放置すると、顎骨内で炎症が拡がり、重大な感染症を引き起こしかねません。

インプラント体の除去の必要性が出てくる可能性もあります。

 

いずれにしても、インプラント、ブリッジ共に、メンテナンスが非常に重要であるという点には変わりありません。

 

◆治療期間

インプラントの治療期間は、6カ月~12カ月位です。

毎週通院するというより、「インプラント体が骨に定着する(くっつく)のを待つ」といった、経過観察の時間が長くかかります。

また、抜歯の後で傷口が落ち着いてからインプラントの手術を行う場合や、顎骨の量が足りずに骨を足す処置などが必要になる場合は、その分治療期間が長くかかります。

 

ブリッジの治療期間は、3~4週間位です。

歯の内部の治療(根管治療)などが必要となる場合は、その分治療期間が長くなります。

 

◆費用

ブリッジは、保険適応内で治療を行うことが可能です。

その場合は、土台となる歯は銀歯になります。

自費診療で、全て白い歯を入れることも可能です。

 

インプラントは、基本的に全て自費診療となります。

 

両方を自費治療と考えた場合でも、費用を比較すると、ブリッジのほうが費用を抑えられる傾向にあります。

自費診療の場合は、お口の中の診査をした上で、詳細を相談していくことをおすすめします。

 

 

3.まとめ

インプラントは、周囲の歯を削る必要はない。

→ブリッジは、失った歯の両隣の歯を大きく削る必要がある。

 

インプラントは、外科処置が必要である。

→ブリッジは、外科処置の必要はない。

 

インプラントは、周囲組織に影響を受ける。

→ブリッジは、土台となる歯の強度は必要だが、周囲組織の影響は受けない。

 

インプラントは、周囲の歯に負担がかかりにくい。

→ブリッジは、周囲の歯に大きな負担がかかる。

 

インプラント、ブリッジ共にメンテナンスは重要である。

 

インプラントの治療期間は約半年~1年。

→ブリッジの治療期間は、3~4週間。

 

インプラントは基本的に全て自費診療。

→ブリッジは、保険診療で行うこともできる。

 

 

インプラントとブリッジの治療方法について、様々な視点から比較してみました。

どちらも優れた治療法であり、それと同時に、どちらにもメリット・デメリットが存在します。

 

どの治療法を選択するのか、御自身のお口の中の状態とあわせて、考えてみて下さい。

次回は、どのような方に、どちらの治療法が適しているのかを見ていきたいと思います。

 

わからないことや、聞きたいことなどございましたら、一度相談にいらしてください。

御自身が納得して治療を受けていただけることができるよう、お手伝いしていきます。

 

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